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1 Aug 2026

 



ドライドトマト

 を、作ってみた。初めてです。いつも瓶詰めを買っていたけれど、こんなにアイコトマトがあるのだから、一丁やってみようと試みました。

 結果、美味しい!! 旨みが凝縮。これはクセになりそうです。




 サン・ドライドではなく、オーブン・ドライドです。検索するとレシピがすぐ出てきます。

 パンを焼く前にオーブン庫内を熱くする。その熱を利用しようとズルをしたんで、加減をしくじり焦がしてしまった。でも never mind!  




 瓶にニンニクのスライスと一緒に詰めて、オリーブオイルを注ぎ、ローズマリーを添えます。チャバタブレッドにクリームチーズ、アイコちゃんを載せてイタリアンハーブミックスと黒胡椒をガリガリ。




 パスタやサラダにもいいですね。あ、あとおにぎりに使う技も、以前教わったっけ。刻んで松の実と一緒にご飯に和えて握るんです。イタリア通の友人に、ドライドトマトだけで作ったパスタをご馳走になったこともあります。

 小さな庭のトマトたち。もうひと瓶くらい作れそう。ありがとうね。

27 Jul 2026

 


ささやかな収穫

 庭のアイコトマトが元気に色づいて、毎朝収穫しています。長雨の影響か、こちらの未熟さゆえか、実の中に少し芯が残っている。でもスープやパスタに使うには問題ありません。

 昨日のお昼は、極細パスタのカッペリーニでスープパスタにしました。具はベーコンとアイコトマトに小松菜、しめじです。味付けは茅乃舎の野菜だし。美味しかった。冷製にしてもいいですね。

 



 袖口にのぞくレースはアームカバー。リサイクルショップで古着の安いブラウスを見つけ、袖をカットしてゴムを入れて、もう何年も使っています。庭仕事の虫除けや、自転車に乗るときの日焼け防止にも役立ちます。レースってなんだかプチ優雅な気持ちになれる。しかも化繊ですからガンガン洗えます。




 リサイクルショップは、チャリティショップ的に時々覘きます。チャリティショップとは、慈善団体が運営しているリサイクルショップ。イギリスの街のハイストリートには、必ずいくつかの店があります。一般市民が不用品を持ち込み、その売り上げが慈善活動に役立てられるのです。ウィンブルドンのチャリティショップは質が良く、目を皿のようにして、いくつも掘り出し物を見つけたものです。日本にもあったらいいのにと思います。

 しかし商業目的のリサイクルショップも、資源を大事にすることにおいては同じですね。例えばボタン。洋服は好みではなくても、ボタンは使えることもある。手芸店で買うと、貝ボタンや宝石っぽいボタンなど、結構なお値段がするものです。でも古着なら丸ごとでもお安い。躊躇なくコラージュに使うことができます。アクセサリーのビーズやチャームにも、たまに良いものがあります。新品ではない、時を経てきた魅力も感じます。

 書いていたら、久しぶりに訪ねたくなってきますが、夏場は朝活以外、ほぼひきこもりと決めています。涼しくなったらまた。



9 May 2025



Another Green World

 最近リーズナブルで、しかも美味しい静岡茶を見つけた。朝いちばん、少し冷ましたお湯でゆっくりと淹れる。この写真のような手入れされた美しい「トピアリー」お茶畑を思い浮かべながら頂くと、香りが一層豊かに感じられ、格別です。

 もう何十年も前になるが、原田泰司さんの小さな画集を、入院していた祖母に持って行ったことがある。日本の田園、里山の風景が描かれた画集。田舎で育った祖母、目を細めて喜んでくれた。

 ところでお米。ニュースでは5キロ4,000円台と盛んに言うけれど、この辺りでは5,000円台が続く。1年経たずに倍以上。お米さえあれば、だったのが、突然高級食材になりつつある日本のお米。

 仲買業者が高値を付けてくれる。しかしコメ離れが起こる心配から値段を下げてくれと頼む農家の方がいる、なんて報道が。

 三食ご飯でもいいくらいご飯大好きな自分でさえ、パンや麺類を食べることが増えた。パンを焼くのは前からだけれど、以前より頻繁になった。




 いったい今までと何が変わってしまったのか。理由は一つではないだろう。未来を見据えて知恵を絞り、この状況を改善してゆく方向へ向かいますように。庶民の胃袋はもちろん、日本の田園や里山の美しい原風景を守るためにも。 




 これは 'HOME FARM' という洋書(Paul Heiney 著 / Dorking Kindersley 刊)より。Country Living magazine のガーデニングページに絵を描いていた頃、向こうで求めた。資料として、大いに頼りがいがあった。多岐にわたる自給自足農業についての本で、内容のほとんどはヨーロッパの農業や牧畜についてなのだが、日本の稲作についての記述もあり、うれしかった。

 当時はロンドンのチャイナタウンのスーパーで、スペイン米を求めていた。粒が大きかったが贅沢は言えません。まあまあ美味しかったし。カリフォルニア米は水田ではなく乾いた土地に空から種を蒔いて育てる大規模な農法だと少し前にテレビで観たが、同じことを試みている日本の若い農家さんもいると、昨日知る。

 農業人口の減少や気候変動への対応・・・。日本の水田は消え、グローバルな農法に移行してゆくのだろうか。

 でもでも、世の中から和服を着る人、居なくならないですよね。水田もその姿をいつまでも留めてほしいと、夢見る「アウト老」(←みうらじゅんさんの新語)、ブツブツつぶやく。

9 Sept 2024

 


本への尊敬

 物心ついた頃から、本を読むのが好きでした。字が読めるようになった5歳か6歳の頃から、その年にしては少し難しい本を父が与えてくれたこと。今も感謝しています。若い頃はずっと読書ノートをつけていて、そのボロボロの大学ノートには、今もよく助けてもらう。

 今年は気象状況が特別激しく、気持ちのざわつくことが多いので、こういう時どうしたらいいだろう。不安なTVニュースは視聴率が上がるそうだから、観すぎるとザワザワが増すばかり。

 amazon Prime の映画もいいし、NHK オンデマンドで美しいドキュメンタリーを観るのも心洗われる。でもそうだ、毎日の読書が一番いい! そう気付きました。

 本を読むって、心の内のお掃除みたい。窓を開けてチリやホコリを外へ掃き出し、乱雑に散らかった部屋を、棚に戻すべきものは戻し、要らないものはゴミ袋に詰める。古今東西の偉大な知恵人たちの声が、耳元に聴こえ胸にしみ入ってくると、自分にとって何が大切なことなのか、何をしようとしていたのか、どこへ行こうとしているのか、気付くことができる。

 オルダス・ハクスレーの小説、『島』に出てくる鳥のさえずりは「キヅキナサイ」「イマココデ」だった。今ここで、すっかり忘却していた大切なことや、思いもよらない全く新しい考え方を、本は気付かせてくれる。本にはそんな目に見えない不思議な力があるのだと、いまさらのように感じ入っている最近です。

 昨年の末に観たヴィム・ヴェンダースの映画 'Perfect Days' の主人公、平山の読書も印象的だった。一時に一冊と決めている。古本屋で文庫本を、一時に一冊買う。そして寝る前のひととき、その一冊を大切に読む。役所広司さんのあの、読書をいつくしむ姿が浮かぶと、頭上に静かな星空の広がる思いがする。

 Hiro's Art Class の課題で、今月は書帙を縫います。古風な言葉。「しょちつ」と読みます。節子・クロソフスカ・ド・ローラさん(私がスラスラとこの長い名前を口にすると皆さん驚かれるので、ちょっと得意)の本で知った、本を入れる布袋のこと。ずっと気になっていて、ずっと欲しかった。水彩クラスのメンバー、Tさんは縫い物名人なので、お知恵を借りました。

 実際サンプルを縫って使ってみて、思い違いに気付くことになる。節子さんとバルテュスのように、お部屋が何十何百もあるお城のようなお邸に住んでいるわけではないのだから、はじめは外出時にバッグの中で、本を傷めないために便利だろうと思うくらいだった。それがちょっと違ったんです。この狭いちっちゃな家の中でも、読みかけの本を入れて持ち運んでいる自分に気付いたとき、本への尊敬というものが形になったもの。それが書帙なのだとわかったんです。

 『クレーの日記』も若き日の愛読書だった。ある日パウル・クレーの絵のような、ゴブラン織りのこの布を「発見」。メンバーの人数分調達できたのも幸運でした。





 今日のお昼はコロッケパン。スーパーで三島コロッケを見たら、どう~しても食べたくなって作りました。美味しかった!

10 Nov 2021




だいどこ便り

 朝起きて台所に行って、まずお湯を沸かすことは話しました。お茶とコーヒーを淹れるために。それからたいていは、パンを食べる。バターと蜂蜜、クリームチーズとラズベリージャム、ここ最近はよくBLTサンドイッチを作る。イギリスはさすがサンドイッチが美味しい国で、BLTは思い出の味です。

 今朝は昨日買っておいたコロッケでコロッケパンにした。ウスターソースをたっぷり。レタスと一緒にイングリッシュマフィンに挟んだら、メチャクチャ美味しかった。

 先週はご馳走パンもありました。伊豆の和のリゾート、東府やさんにあるベーカリーのパンです。今まで食べたパンの中で最高に美味しかったと言っても、ぜんぜん過言ではありません。感動的。近かったらなぁ。これはいじましく、最後のふた切れの記念写真です。




 介護や介助でタフな日が続く。今日も忙しかった。お昼に何を食べよう。あてずっぽうで、こんなものを作りました。




 このひと月ほど、納豆を毎日欠かさず1パックは食べていて、そのパワーに驚いているところ。だって、ほんとうに体調が良くなったから。

 江戸の調味料、「煎り酒」と卵黄で、納豆カルボナーラ風をやってみました。茹でてオリーブオイル少量を和えたパスタに、卵黄に煎り酒適量を混ぜたソースを絡めます。納豆とめかぶを納豆のたれでぐるぐるネバネバ混ぜ合わせてトッピング。さらに好物しば漬けを盛る。色合いもなかなか。アレンジしながらまた作ろう。



 
 実は昨日はタフな上にもタフな一日だった。夜になってダメ押しの一発があったからへとへとになった。夕飯も食べずに解決策をさぐり、24時間対応の訪問看護さんに電話してアドバイスを受け、遅くに世界はなんとか平穏に戻った。ふー。

 さて何を食べましょう。時計の針は11時。お腹は超ペコペコ。食べずに寝るという選択肢はありません。

 若い頃、夜、吉野家で牛丼を食べたときのことをふっと思い出して、そうだ、あの牛丼にしよう!と思った。超簡単なのにとっても美味しい・・・と来ればレミさんレシピとバレますね。

 最近M下さん仕込みの、セロリと赤ピーマンのきんぴらにハマっていてよく作るのですが(またご紹介しますね)、セロリの茎だけを使うから葉っぱたちが野菜庫に備蓄されてゆく。昨日スーパーで、鹿児島和牛薄切りの特売パックに運よく遭遇した。このコンビを食べやすく切り、サラダオイルでザっと炒めて、お醤油をたらーりとかける。たったそれだけ。ハイ、お客さん、一丁上がり!



 レミさんは天才だと改めて思う。たしかプレーンに「セロリ丼」と命名されていましたっけ。あったかいご飯にのっけて、激ウマです。だまされたと思って、ぜひやってみてください。七味をかけてもいいですね。

 就寝前の食事って、ほんとはいけないんですよね。でもあったかいご飯のおかげで身も心も満足。疲れも吹き飛び、ぐっすり眠ることができました。めでたし、めでたし。

16 Aug 2021

 


I ❤ 野菜

 子どもの頃、夏のおやつはアイスかかき氷、またはトウモロコシかトマトだった。いや、スイカだってあったし、時には、いえ、ごくまれには、メロンやパイナップルだって食べたことはあるけれど、果物の魅力はその姿にあって、幼い私はなぜか野菜の味の方が好きだった。キュウリにお塩を振ってかじるのも好きだった。

 ご近所のEさんは、ご夫婦でお庭をきれいに作られていて、通りに面した家庭菜園も見事。毎朝早くから手を入れて、もちろん無農薬で丹精込めて育てたお野菜を、ご主人が収穫している。

 先日来、続けて二回も立派な茄子を一抱えずつ頂いた。茄子は大好き。その eggplant と呼ばれる形も、茄子紺と云う底知れない深いおもての色も好き。淡白な味わいながら中年以降に突然味を出す名脇役の役者さんみたいに、一旦鍋やボウルに入れたらいろんな役柄を丁寧にこなす。尊敬しています。本当に。




 instagramに今朝アップしたのはまず、向田邦子さんレシピの「茄子の田舎煮」。Eさんのお茄子で作るのは、もうこの夏3回目です。何回だって作りますよん。だって美味しいんだもん。山のように煮ても、すぐなくなっちゃう。だって美味しいんだもん!

 まず茄子のヘタを取って、縦二つに切り、皮目に斜め格子の包丁を入れます。それから大きめに乱切り。小さいと溶けちゃうから。薄い塩水に浸けてアクを出しザルで水切りします。

 鷹の爪を2~3ミリ幅で切る。種は取っておく。この種コレクションがある程度の量になった時役立つ、イギリスでKさんに教わった混ぜご飯があるのだ。またいつか紹介します。

 少し前、深めのフライパンを買った。ステンレス派になるぞと意気込んだけれど、使いこなせずあっさり降参しました。やっぱりコーティングのフライパンはすごく便利。チャーハンも焼きそばもパスタも煮物も何でも来い! そんなフライパン、または厚手の鍋でもいいので、サラダ油を熱し茄子と鷹の爪を炒める。よく炒めます。

 そこに水をひたひたまで入れ、私は茅乃舎のだしを1パックとお砂糖を結構たっぷり入れる。向田さんレシピだとお出しは入れず、茄子6個に大さじ2杯のお砂糖とある。落し蓋をして中火でコトコト煮る。

 お茄子がやわらかくなってきたら、向田さんはシンプルにお醤油ですが、私はめんつゆで味付け。屋上屋を架すようだけど、よりこっくり仕上がるように思う。

 再び落し蓋で、お茄子がしっかり味を含むまで煮て出来上がりです。あら熱が取れたら、保存容器に移し、冷めたら冷蔵庫へ。翌日が最高に美味しいです。




 一方こちらは洋風の一品。平野レミさんのだいぶ以前のお料理本『お料理しましょ』より、その名も「ナソワーズサラダ」。

 ネーミングの天才レミさん。サラダ・ニソワーズのニソワーズから取った・・・とはわかっても、それは何? フランス、ニース風っていうことで、様々な野菜をツナやアンチョビや黒オリーブ、ヴィネグレットソースで頂くとニース風サラダになるということが、Googleのおかげで瞬時にわかった。ひとつ利口になった。

 レミさんレシピでは、茄子を茶せん切りにして直火で焼いて皮をむくとある。パプリカなどでも直火で焼いて皮をむくとよくあるけれど、これは手間がかかるし火傷しそうになって、覚悟の無い私は作る前からつらくなってしまう。なので、電子レンジで蒸すことにします。

 先にピーラーで皮をむいて、ラップで包み、レンジでふっくらやわらかくなるまで加熱しましょう。取り出したら注意深くラップを剥がし(熱いから)、しばらく放置(熱いから)。あら熱が取れたらおもむろに縦に裂き、冷まします。

 ドレッシングを作ります。私はキューピーのイタリアンドレッシングをベースにします。和風でも中華でも、このイタリアンドレッシングからアレンジして作ります。ニース風も例外ではない。アンチョビー、にんにく、玉ねぎのみじん切りを混ぜて、レモン風味のオリーブオイルをタラーッと回して香りを加えた。

 このソースに冷めた蒸し茄子と黒オリーブ、色合いのきれいなトマトやパプリカをカットして、マリネのように冷蔵庫で漬け込んで完成です。パセリを散らしたら、もう立派な前菜ですね。




 もう一丁、オマケ。この混ぜご飯も大好きで、以前はよく作りましたが、久しぶりに作ったところ、この組み合わせの普遍性にあらためて納得。やっぱり美味しい。

 これもレミさんレシピより、です。私の身体は、実は半部以上がレミさんレシピでできています。素材と素材のハーモニーやリズムはレミさんが歌手であることと無縁じゃないと思う。心優しく、でもピリッとシャキッと潔いところ、さりげなく国際性に富んでいてお洒落なところ、それでいて庶民のお財布感覚だし、ちょっとワイルドで乱暴なところも魅力。レミさんのおかげで、様々な食材を知ったし、アレンジの仕方も知らない間に覚えたような気がする。本当に大ファンです。

 搾菜は他にも高峰秀子さんレシピ(『台所のオーケストラ』)で、冷ややっこのたれの絶品があり、冷蔵庫に桃屋の瓶詰めを常備しています。

 その搾菜をまずみじん切り。それから油揚げ。油抜きしてから一枚ずつラップに包み冷凍してあるので、凍ったままお醤油とお酒を混ぜたタレに浸して、両面を弱火のグリルかオーブントースターで炙り焼きにします。途中お醤油たれをつけ直すと一層香ばしい。焼き上がったら、細切りにします。

 温かいご飯に、搾菜とお揚げの香ばしいのを混ぜて、白胡麻を振って、あっという間に出来上がり。レミさんは、三つ葉を散らしてる。お代わりしたくなる美味しさです。


・・・・・・・・・・・・・・・


 美味しいものをこしらえて食べることは、自分を守るし人を守る。よかったら、ぜひ作ってみてください。

22 Feb 2019




マイちゃんと台所

 相変わらずバタバタしていますが、一つうれしいことは、昭和の台所に「ホワロ」が来たこと。壊れないものだから、古いガステーブルの部品を交換しぃしぃ、相当長い事使っていた。でももうこれだけ使ったんだからいいだろう。とうとう新調した。

 ホワロはリンナイから出ている、通販オンリーの真っ白いガステーブルです。今はシステムキッチンの素敵なビルトインをお持ちの方がほとんどだろうから、もはやあまり知られていないことかもしれない。市販のガステーブルには真っ白と言うのがまずない。近いものがあっても、スイッチのあたりにでかでかと文字の説明があって、すっきりしたものがない。

 これは最近出た新バージョンで、旧バージョンよりスイッチがスタイリッシュ。今まで掃除が面倒で使うことがなかったグリルもすごく有能。「ココットプレート」というのが付いていて、付属のスリットのある蓋を使うとグリル内部のお掃除が(ほぼ)必要ないのです。チキンにハーブミックスを振ってただ焼くだけでも美味しい。余分な油も落ちる。それからお野菜のグリルは今まで電気オーブンでちんたらやってたんだけど、ずっと早く美味しくできる。茄子の焼きびたしなども億劫でなくなった。

 そしてなによりうれしいのが、お鍋をかけた時、背景が白い事。白い画用紙に絵を描く気持ちで、お料理ができるから。素材の色が、目にはっきり映る。それだけで今までよりずっと愉しい気持ちで台所に立てる。
 

青梗菜と豚肉の炒め煮
チキンと長葱のクタクタ煮スープ
タラと野菜のアクアパッツァ風
ニック・ジャガーこと、肉じゃが


 マクラが長すぎました。タイトルの「マイちゃん」の話。

 マイちゃんは、麻衣ちゃんでも、舞ちゃんでも、真衣ちゃんでもなく、マイケル・ジャクソンのことです。彼はわたしやマドンナや百恵ちゃんと同い年で、生きていればちょうど節目の年だ。今まで実は、ほとんど気にして聴いたことがなかった。あんなに人気だったのに、若い頃仕事でいくらか関りもあったのに、まったく興味が持てなかった。

 それが、よく聴いているBBCの 'Words & Music' という好みのラジオ番組があるのですが、そこで一曲聴いてボッ。着火しました。

 その記念すべき曲とは、「スリラー」の一曲目 'Start Something' 。ちょうど年が変わる頃だったし、新しい仕事やプロジェクトも始まって、気持ちにしっくりきた。マイケルは(昔の同僚はみな、まるで友人でも呼ぶようにそう言っていた)こんなにすごかったのか!と、何十年もの時を経てようやくわかった。

 その後、また同じ番組でこんどは「Bad」から、'Man in the Mirror' がかかった。これもよかった。

 というわけで突然変異的に、毎日のようにマイちゃんを聴く日々となりました。

 ではなぜマイケルでなく「マイちゃん」なのか。これは料理家の平野レミさんがそう呼んでいたからです。平野さんはマイケル・ジャクソンが大・大・大好き。もう何年も前に、どこかでレミさんがそう言っているのを観た。

 夫の和田誠さんはそんなレミさんに、マイケル特製時計をプレゼントするなど、理解があったように思えた。でもある日「マイちゃんは天使だ」と言うレミさんに、「天使は整形しないだろ」。それを聞いたレミさんは怒った。しばらくご飯を作らないくらい怒った。そのことを話すレミさんの表情が、何とも言えなかったのです。遠くを見るような、悲しさと怒りと諦めと決心とが入り混じったような、言葉で簡単に表現できない表情でした。

 レミさんのお父さん、仏文学者の平野威馬雄さんは、戦後日本で生まれた多くの恵まれない混血の子どもたちを保護し、ご飯を食べさせてあげた人。そんな平野家でレミさんは一生懸命お手伝いをして、幼い頃から料理の腕を上げたのだと、それは以前から知っていた。

 イギリスにいた頃、TVのトークショーにダイアナ・ロスが出て、マイケルのことでネガティブな質問をされたのを観たことがある。その時彼を擁護するダイアナ・ロスの表情も、レミさんと似ていた。

 マイケル・ジャクソンの歌をイギリスのラジオ番組で聴きながら、これらの話全部が思い出された。

 マイちゃんの歌を聴きながらだと、どんなに忙しくても元気が出る。よし、やろう!という気持ちになれる。そんなパワーがみなぎっている。

 夕飯を作るのがしんどいときも、私にはマイちゃんがいて、ホワロがある。よかった。




そしてこの食器洗いのタワシもある。料理家の有元葉子さんプロデュース、ラバーゼのタワシです。ちょっと贅沢タワシですが、その価値はあります。黒い色に惹かれて手に入れたら、他のが使えなくなりました。 

3 May 2018




「きつねうどん」と心の余裕

 連休中の過ごし方。定番は庭仕事です。先日も書いたように、周囲の様子が違うので、どうも落ち着かない。そういう時は、確実に成果のあらわれる手仕事や庭仕事が、精神衛生上とてもよろしい。アレ、今日も何もしないで終わっちゃった、という間に連休も終わっちゃった、とならないために。

 と言うわけで、すでに緑のごみ袋、6つも仕上げました。この超・狭い庭でこの数。どんなに草ボーボーだったことか、想像されると恥ずかしいのですが、黄色やピンクの草の花も可愛いもので、つい先延ばしにしていた・・・というのは言い訳です。

 廊下のような狭いスペース、「蔦の細道」に敷いたレンガも、ホースの水とたわしでゴシゴシ磨いたおかげで、水彩レッスンでよく使う色、バーントシェンナみたいな赤茶色にやっと戻った。温かくなったころから急に勢いを増したアイビーも、余分な枝をカットする。

 蔦の細道(と言っても3mちょっと)の両側には、たった5本ほどの苗から増やした、この緑の葉が繁っているのです。日当たりも水はけもよくない地面には、アイビーくらい頑丈な植物でないとなかなか繁殖しないだろうと植えたものですが、季節を問わず愉しめる。花が全くない時にも、枝を切って挿すと、そこから根っこが伸びて、またどこかに植えたくなります。「我がアイビーよ永遠に」です。

 今年はバラをどうしようか、迷っています。いつだったか、青木和子さんがTVで? 雑誌で? お会いした時? ・・・忘れましたが、バラをやめたと仰っていた。バラのために薬剤を使わなくなって、体調もすっきりしたような気がすると。私も毎年、虫の退治に気が進まなくなっている。

 殺虫剤が一切いらない植物と言うのもある。紫陽花や鉄線、お隣のSさんに頂いてだいぶ増えた紫蘭などは、放っておいても美しい花が咲く。そういう手間のかからない植物、おそらくは日本古来の花々に、少しずつ切り替えてゆけたらと思う。 

 虫と言えば、昨日は椿の剪定をしました。あの「にっくき」チャドクガが卵を産む前に、急いでやった。きらきら光る新芽は美しいが、込み入った枝をチョキチョキ切り、風通しを良くしてあげた。

 チャドクガに掛かる「にっくき」という形容詞を初めて聞いたのは、庄野潤三先生のご長女、夏子さんからのお手紙でした。チャドクガの幼虫が持つ、あの無数の針のスティルス攻撃に遭った悲惨な経験が、私にもある。夏子さんが言葉で彼らに復讐してくれた。スカッとして、いまやチャドクガの「名字」と言ってもいい。

 夏子さんからは、「チャドクガにはキンチョールがいいわよ」ともアドバイス頂きました。剪定後も念のため、定期的に「ハエハエカカカ(チャドクガも)」を吹き付けなくてはいけません。

 庄野先生の物語の中には、夏子さんがたびたび登場され、読者には weekend books の美和子さんのように、夏子さんファンがとても多い。大掃除や木の剪定に、先生と奥さまの暮らす山の上のお家へ夏子さんは行かれる。一仕事終えてお昼時になると、奥さまが夏子さんの好物、きつねうどんを作られる。


    お昼は、妻は長女の好きなさぬきうどんの
    きつねうどんを作って食べさせてやる。
    長女よろこぶ。

           『けい子ちゃんのゆかた』より

 
 このシーンが大好きで、何度も読み返してしまう。読むたび、私もきつねうどんが食べたくなる。で、庄野先生ご一家のひそみに倣い、昨日のお昼、作りましたヨ。きつねうどん!


 


 食べる事と言えば、大好きなお二人の、新しい料理のご本が出版されています。

 左は『旬の野菜でシンプル・イタリアン』。 今まで忘年会やオープニングのケータリングで何度もお世話になっている、東京小石川にある「シンプル・リトル・クチーナ」オーナーシェフ、佐藤夢之介さんの初めてのご本! 先日の個展でお祝いにと、新刊情報をキャッチされた永田ヒロ子さん、京子さんから頂きました。

 夢之介さんは、お肉や卵を使いません。チーズ以外の乳製品も使いません。「なのに物足りなくない、お肉好きも大満足の美味しいイタリアン」。この帯の言葉の通りです。本の中で夢之介さんが語る、お料理や素材への真摯な言葉も素晴らしい。世に出るべくして出た一冊。ファンとして、本当にうれしく思います。

 右はNHK「あさイチ」にレギュラー出演でもお馴染みの、料理家であり、スタイリストであり、キッチンツールのスペシャリスト、野口英世さんのご本、『フライパンクックブック』です。光栄にも、親友の京子さんと一緒に銀座の個展にいらしてくださった、野口さんご自身から頂戴しました。

 さっそく大好物の焼きそば、「上海風の海鮮焼きそば」から作りました! おーいーしーー! また作りたい。すぐにでも。

 ドイツ製、鉄のフライパン 'turk' を使われてのご本ではありますが、うちの Vita Craft のフライパンでももちろんオッケー。

 野口さんは、TVで拝見するときと、直にお目にかかったときのギャップが何もない。いつも自然体。飾らないお人柄が、よいお仕事を次々生むのだと思います。

 昨秋から、介護と仕事と家事で、脇目もふらず前のめりに突っ走らざるを得なかった私ですが、やっとお料理にも少しずつ心が向かうようになってきた。この素敵なお二人とのご縁に感謝して、久々に新しいお料理にも挑戦したくなってきました。

 

4 Mar 2018




チカラ飯

 だんだん佳境で、悪夢さえ見なくなってきました。グループ展と個展の準備、間に合うだろうか。

 月に一度訪問してくださる父のケアマネージャーさんには、この恥ずかしい舞台裏を見せざるを得ない。茶の間が荷物や額縁の山で、エライことになっているからです。

 美人で可愛くて明るくてやさしくて、父も私も大好きなその方が、「でも何とかできちゃうもんなんですよね」と笑顔で言ってくれたのはありがたかった。肩の力を抜くことができた。バラの絵の小品を観て、「わー・・・」としばらく感動してくださった後だったから、なおさらうれしかった。

 そんな今日この頃の私のサラメシは、パスタが多い。なぜに・・・と考えてみる。

 作る段取りがクリアで、時間の無駄がない。お湯を沸かすのに8分くらい。面を茹でるのに5分。その間、どんな具にしようかなと考えて、その準備までできる。しかも私は猫舌なので、出来上がってお鍋や道具を洗ってから、「ハイ、いただきます」がちょうどいい。父はこのようなものを食さないので、別にお弁当を用意してあるから、ひとり分。好きなように、組み合わせの実験ができる。作る喜び、愉しさがある。よって、どんなに忙しい時でも、苦にならないのでアール。

 左からシーフードとそら豆のパスタ。搾菜と大根おろしのパスタ、シーフードと青じそとカラスミのパスタです。カラスミパウダーは、よく行くスーパーの片隅で発見して以来、はまってます。

 


 その個展です。4月3日から8日の会期で、久しぶりに銀座ACギャラリーさんにお世話になります。

 今回は野菜の絵を、新しくご覧に入れたいと思っています。あまり数は多くないですが、ああ、きれいだなーと思って、気合で描いたお野菜、10数点を額装します。

 ほかに、イラストレーションや挿絵で、野菜や果物が題材となったもの、また私がよく歩く近くの畑の風景を、小さな小さな抽象にした水彩もご覧ください。畑のことを 'patch' と言いますが、紙のパッチワークも観てほしいなと思っています。まだ制作途中。間に合うようがんばります。花の絵も少し。

 詳細は以下の通りです。お運びいただけましたら幸せです。


↑クリックで拡大

 
 さあ、今日も張り切ってまいりましょう♪
 

4 Jan 2018



2018

 新年 あけましておめでとうございます

 皆さまにとって、健やかで実り多い一年となりますよう、お祈り申し上げます。 

 年末から年始は、瞬く間。それでもよく食べ、よく笑い、初夢もまあまあでしたし、よい思い出が作れました。

 


 お正月の9シーン。左上から時計回りに、

1.元旦のウィーンフィル、ニューイヤーコンサートのバレエにうっとり。衣装や背景のセンスも、すごく勉強になる。再放送(6日土曜日2:00-5:00 Eテレ)はビデオに撮らなくちゃ。

2.今年は初めて、おなますを作らずに買いました。自分で作るのより、ぜんぜん美味しかった。紅白を、混ぜないで並べてみた。

3.これは2日目の朝食。朝から久保田を頂き、箱根駅伝を観ながら、肉のクロヤナギさんのハムやソーセージを食べる贅沢。

4.神棚を整えると、気持ちが凛とします。

5.素朴系でまとめた、玄関の花。初春の訪れとともに、菜花も啓翁桜も花開いた。

6.煮物はストウブで作ると、早いし美味しい。家族が食べやすいやわらか野菜中心。

7.数の子とブリーと黒オリーブでピンチョス。3つをいっぺんに食す事に意味がある。

8.ここ数年、生タラバガニの本チャンという、すごーく立派なカニを頂戴し、贅沢なお正月を過ごしています。大きな足を3肩、妹の主人が器用にさばく。大きなフライパンで焼きガニにすると、プリップリの身が形容できないくらい美味。

9.伊万里焼きを模したと思われる扇皿は、イギリス製。形がちょっと妙で使いずらいのですが、East meets West な感覚が気に入っています。



 昨年は個展をお休みしましたが、今年から来年にかけて、有難いことにいろいろ計画があります。集中してやってゆこうと思っています。

 今年もどうぞよろしくお願いします。



22 Oct 2017



野菜讃歌

 外出から帰ると、愉しみに待っていた本が届いていた。アマゾンの古書店から。庄野潤三先生の随筆集、『野菜讃歌』です。

 いつかは自分のものにしなくてはいけない本だと、ずっと思っていた。調べたら、ダメージの少なさそうな一冊があり、届いてみるとその通り。帯としおりのリボンが少し傷んでいた以外は、ほとんど新品のようです。

 表紙を開くと、元の持ち主のお人柄が伺えるようなおまけが付いていた。

「『本』1998 11月号」

 筆圧にもその方のお心が伝わる、優しい鉛筆の文字が添えられた雑誌の切り抜き。「野菜のよろこび」と題され、先生ご自身がこの新刊について書かれているページが、黄ばみもせず挿まれてあったのです。

 冒頭に収められ、タイトルにもなった随筆「野菜讃歌」の中に、先生曰く「書き落とした」きゅうりとにんじんについて書かれている。また、表紙に使われる玉葱の絵が「先年、90歳で亡くなった宮脇綾子さんのアプリケである。」と、愉しみにされている様子も。見本の仕上がる前の、お原稿であることがわかる。

 庄野先生は表紙について、けっして注文を仰ることのない先生でした。ラフデザインや色校正さえも、チェックすることはないという意味です。すべての作業が終わり発売日少し前に見本ができて編集者さんがご自宅に届ける。その時に初めて表紙、装幀の様子を御覧になるのです。編集者さんと装幀デザイナー、そして私のような絵描きに、全幅の信頼を寄せてくださっている。頭が下がります。

 この『野菜讃歌』のときもそうだったのでしょう。静かな先生の佇まいを思い出し、有難い思いがこみ上げます。




 担当編集者さんとしてお世話になった鈴木力さんから、「ヒロさんの絵と共通したところがあると思います」と教えていただき(恐れ多くも有難きお言葉!)、大丸の美術館に展覧会を観たのはいつだったでしょう。順路の最初の白百合の作品から、ただ涙でした。以来、宮脇綾子さんは、私の最も尊敬する日本の画家です。(あえてアプリケ作家とは言わずに、画家と言いたいのです。)

 あらためて、この一冊が私のものになったことに、何よりのよろこびを感じ、一冊の本の持つ力、手に頂き、活字を追う以外にも存在する、予期せぬ力を思わずにいられない。




 私は最近、以前に増して野菜の絵を描く。日々の生活の中の小さなよろこびを味わうことに忙しいのと、絵を描く時間をなんとかして確保したいと願う気持ちから、野菜を描くことが、いかにも自然な事になってきたのです。

 ご主人のお世話やお教室に忙しかった宮脇綾子さんも、もしかしたらそうだったのではないかと思う。そんな自分にとって庄野先生の文学が、一層の道しるべの灯りとなってくれるに違いないとも思う。




 これは、昨夜の夕飯に作った白和え。高齢の父はやわらかいものを好む。しかも、冷蔵庫の中の「何か」でできる時短おかずでもあります。こんなに理にかなったおかずはないなと思いながら作る。蕪の葉と椎茸を茹でたものに、柿を刻んで色合いよく。同じ黄色のスリップウェアによそいました。



30 Jul 2017





台所

 ついつい台所の写真ばかり撮ってしまいます。それより自分の仕事や制作に関することを、もっと撮ったらいいのに。そのつもりでインスタグラムを始めたのに、なかなかそうならない。

 質素な台所で、ありきたりの材料で、きまぐれに料理する。無器用で、一度に一つのものをマイペースでしか作れない。たぶん料理家にはなれません。

 実は3年前に軽く体調を崩しかけ、以来揚げ物などの脂っぽいもの、乳製品、卵などを、ゼッタイではないけれど、なるべく摂らないようになりました。ケーキや焼き菓子もモノによっては負担なので控える。お酒は関係ないとドクターに言われたものの、食べるものが簡素になるにつれ、自然と嗜好が縮小。加えてプチ介護もありますから、それまでに比べ、何が面白くて生きているのかと問われそうな食生活です。でもどんなときにも、日々の炊事にはそれなりの発見があるものです。

 お酒と言えばこの間、みうらじゅんさんが、「最近お酒が好きじゃないことが判明して」と朝日の記事で語られていて、お、いいコト言いますね、と思った。でも甘いものは飲みたい。だから燗酒でと仰っていて、なんだ結局好きなんじゃないかと思いましたが、実はそこも共感で、甘いリキュールを炭酸でうーーんと薄めたジュース的食前酒がマイブームです(たしか「マイブーム」もみうらさんの造語)。そんなこんなのお年頃、ってことなのでしょうね。今日も、ラブリーな瓶の「蜜柑酒」というのを初購入。

 脱線しました。とにかく身体のことを考えることは、台所仕事の地平を狭めない。深くする。今までため込んできた知恵(?)を結集。にわかにオリジナル度がアップしてゆく。

 たとえば、上の写真のハム。茅乃舎レシピで作り始めたものですが、とっても簡単なのに、買ったものとは違うマイルドな美味しさで気に入っています。以下、受け売り。

 鶏むね肉300gに、茅乃舎のだし一袋(袋を破って)とお砂糖大さじ1、お塩大さじ1、粉山椒適量を混ぜたものを、まんべんなくまぶしつけます。水が出るので深さのあるお皿に入れラップをして冷蔵庫に一晩。翌日さっと洗い、沸騰まであとちょっとの鍋のお湯に入れて、沸騰したら中火。1分半ほど茹でます。(私は倍の分量で作るので、もうちょっと茹でる。)蓋をして、冷めるまで放っておく。で、出来上がりです。なるべく冷めにくい、分厚いお鍋で作るのがいいみたいです。

 昨夜漬け込んだのは、山椒を使うところを花椒にしてみた。ハーブミックスも加えた。あとで茹で上げます。愉しみです。

 台所は愉しいのに、作るのは面倒。そんな日も正直結構あります。どうするか・・・。解決のおまじないは「ゆっくり、ゆっくり~」。作らなくちゃ、って気分で急ぐから、やる前からプレッシャーがかかりつまらなくなるのだと、これまた「判明」したのです。

 まずは腰を下ろす。誰も見ていなくても、「作ろう」という気配さえなしに腰掛けるのがコツ。冷蔵庫にあるもの、戸棚の中の乾物、缶詰、冷凍食品、レトルト、手持ちのものをそこはかとなく思い浮かべる。

「いそがない、いそがない。ひとやすみ、ひとやすみ。」

 賞味期限の来そうなもの、あれとこれなら相性いいかも、とか、案外すぐにイメージが固まってくる。たしか料理ファイルになにかあったな・・・とパラパラする。

 で、おもむろにエプロンを掛け、冷蔵庫を開け、とうとう何か素敵なお料理を作り出すのか・・・と思えば、土井善晴さん提唱の一汁一菜、具だくさんのお味噌汁だったりするので我ながらズッコケるのですが、その頃には小皿にお漬物や作り置きおかず類を並べるのさえ、ウキウキしているという寸法。

 思えば絵を描いたり作品を作る時も、こんな感じです。自分の力をあんまり信じていない。なんとはなしに自分を通して出来上がるものが見たい。そこにワクワクしたい。だから心して、無理な力が働かないように気を付けています。


 

25 Apr 2017






 去年の秋からずっと慌ただしかった反動か、ここのところ外出が続きます。投稿が遅れましたが、桜も時間を作って眺めました。山の上の自然公園には、薄紅色のトンネルが。道路に椅子を並べてもらって見物する、お年寄りのグループ。今年一番の花の風景でした。

 春は食欲も刺激されますね。八百屋さんが突然賑やかになるから。

 農協の直販所でタラの芽をみつけ、ニンニクとエリンギとオリーブオイルで炒めました。一日目はパスタで頂き、二日目はパンに載せて。春の苦み。土と緑のせめぎあいの味。今だけのご馳走に感謝。

 小さな庭に、紫蘭の芽が4つ。スズランの芽は12個も! 成長を確認するのと小鳥のさえずりを聴くのが、毎朝のささやかな愉しみです。