31 Dec 2023

 



Perfect Day

 今年も暮れてゆきます。

 午後、「ナマモノ」のラベルが付いた宅急便が届きました。「ん、ナマケモノ?」と一瞬読み間違える。それほど自分、ノロノロしている。それでもここ数日は、小掃除に庭掃除、神棚、仏壇の掃除、しめ縄飾り、買い物など、それらしいことに費やして今に至る、です。

 今年は三つの作品に大きく感動し、影響された年でした。ひとつはNHKの朝ドラ「らんまん」。それから東京都現代美術館のホックニー展、それから先日観てきたヴィム・ヴェンダース監督、役所広司さん主演の映画「Perfect Days」。この三つにはきっと何か共通点がある。少なくとも、自分の中では。そうでなければ、こんなに圧倒的に影響を受けるわけがない。

 夜空の大三角形のようなこの三作品の教えを胸に抱きながら、精神的に温かな気持ちで一年を終えることが出来ることが有難いです。

 今年は今までと違う場所ですが、夕刻「終の日の入り」も拝んできました。来年もこの気まぐれブログ、時々覗いてやってください。よろしくお願いします。

 どうぞ皆さま、よいお年越しを。



2 Dec 2023

 


〇月✕日

 一昨日から昨日に掛けて、我がPCが反乱を起こし、かなり参っていました。皆さんも経験がおありでしょう。毎日便利に使っている分、フリーズで画面真っ白になったりしたら、頭も真っ白。心臓は鼓動を速め、いやな汗が吹き出し、この世の終わりのような気持ちになる。

 タブレットで色々検索し、試みて、そして辛抱づよく1時間も2時間も待ってみたり、放電作業をしたりして、ああ、直った!と思いきや、翌日またトラブル。いよいよオシャカ?と諦めかけた時に、やっと元に戻ってくれました。しかも前よりサクサク動くではありませんか。PCに、おちょくらたような気分です。

 おそらく何かのアップデートかバージョンアップ? よくわかりません。でも、とにかくホッとしました。

 こういう時にいつも考えるのは、「こんなこと、自分にいつまで出来るんだろう」ということです。こんな私でも今やデジタル画に夢中なことだし、やれるところまでは頑張りたい。お若い生徒さんや友人たちに、私の年齢でZoomを使ってオンラインレッスンをしていることを、よく誉めて頂きます。そうか、この先は彼女たちに質問して、なりふり構わず助けてもらえば、何とかやってゆけるかもしれないぞ。何卒よろしくお願いします。

 AIの世界は急速に進化し、偉い先生ががさっきTVで語るには、「一言一句、文章を考えて書いていた頃があったんだよね」などと言う時代がもう近いらしい。じゃあ、人は何に頭脳を使うのかと言えば、AIに指示や質問を出すセンスのようなものが、どうも問われようになるそうです。優れた作家ではなく、優れたプロンプターが文学賞を取ったりするのかな。

 SFの世界。フィリップ・K・ディックの「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」=映画の「ブレードランナー」で描いた世界に、人類は着々と近付いているのですね。


〇月✕日

 そのうち、ヴァージニア・ウルフのようなアンドロイドも生まれたり?・・・いや、しないな。彼女ほどの複雑で繊細な思考は、そんなに簡単には真似できない。



 夜のデジタルスケッチで描きました。

 人物は滅多に描かないのだけれど、なぜか突然描きたくなった。弾みになる一枚が描けました。好きなアーティストシリーズ、試みたくなりました。


〇月✕日

 レッスンでデモンストレーションをするとき、喋りながら絵を描くことが多いです。集中しすぎたり、神経質にならずに描けるから。




 先月ペン画を竹ペンでドローイング。今月着彩してみたものです。題材は生徒さんが自作のカップに生けられた花の写真。あんまり素敵で、描きたい気持ちが走りました。

 有機的なペン先は、紙との摩擦が心地よいです。インクの紙への「着き」がなんとも気持ちよい。ペン先や筆先が身体の一部のように感じられたら、その「着き」を感じることが出来ます。絵を描くことは、テクニックや題材選びよりなにより先に、その「着き」を味わうことのような気がする。挿絵画家の風間完さんの本で学びました。




 〇月✕日

 アフロヘアの稲垣えみ子さんの文章が好きです。もちろんひと月の電気代200円以下、というのは、逆立ちしても真似できませんけれど。

 ウクライナとロシアの戦争だけでも辛かったのに、イスラエルとパレスチナの間の一層の暴力まで始まってしまい、やりきれない。映像を平常心で観ていられない。自分に何が出来るだろうと考えない日はない。

 稲垣さんの意見はこうだ。

「人権や法の支配という大義は溶けた できることは周囲の人と助け合いながら生きていくこと」

「蝶の一つの羽ばたきが歴史を変えていくように、ある日ある時にある場所で普通の人が生んだ一つの差別、一つの憎しみ、一つの暴力、一つの沈黙、一つの無関心が積み重なった結果が今なのだ。ならば私にできることは今この時、この場所で、一つの親切、一つの許しを積み重ねていくことしかないんじゃないか。綺麗事である。でもやはりそれしかないように思う」

 AERA dot. の稲垣さんの連載、面白いです。


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