21 Mar 2018




三月三島のグループ展

 自分のことより先に、このことを書くべきでした。今となっては夢のような1週間。三島プラザホテルにある、Gallery PLAZA にて、沼津クラスのメンバーによるグループ展を行いました。おかげさまで連日多くのお客さまをお迎えすることができ、準備段階から終了、打ち上げまで、最高の会に。お運びくださった皆さま、プラザホテルのスタッフの方々、そして、日常と非日常を行ったり来たり、すごーく頑張って下さったメンバーに、あらためて感謝でいっぱいです。ありがとうございました!






 そもそもは、東京のレッスンを知った沼津のMさんが、2011年、震災の年の秋に「沼津でもやってくれないでしょうか」と仰ってくださった。そして個展でお世話になっていた、沼津の「ひもの和助」の奥村さんにご協力いただき、あの素敵なギャラリースペースで、少人数でスタートしたのが始まりです。

 本当はその数年前に、もっと少人数で短期間行なったこともあったのですが、本格的に始まったのは2011年。ですから今年の秋で、丸7年ということになります。

 お教室が現在の沼津駅北口、プラサヴェルデに移ったのが、2014年夏。・・・そうか、そこからもう4年が経つのですね。

 東京クラス同様、グループ展も回を重ねるごとに充実しています。人に作品を観てもらうことは、すごく勉強になるからです。思いもよらない感想を頂くこともあります。作品が、自分から巣立ってゆくような感覚も味わいます。制作には、さらに様々な学びが必要になってきます。お教室でのレッスンだけでなく、日々の何気ないことや感じたこと、遊ぶことから得る学びです。作品にはとにかく「質」が必要だから。難しいことですが、日々自分に言い聞かせていること。




 次回は1年半後ではなく、ギャラリーの都合もあり2年後となりました。次はどんな作品が・・・。




 今回のギャラリー風景や作品の一部は、Instagram の日々を綴る方のアカウントにUPしておりますので、ご興味のある方は是非。また私もやってみたいなと思ってくださった方、Lessonページをご覧の上、お気軽にお問い合わせください。ご一緒に描いたり切ったり貼ったり、いたしましょう♪ 



20 Mar 2018




19回目の個展

 数えてみたら、19回目でした。4月3日から8日、銀座ACギャラリーにて個展を開催します。イギリスから帰国後、ご縁を頂き麻布十番のギャラリー東京映像でスタートした展覧会活動も、知らない間に回を重ねていたんですね。

 人間にしたら19歳。20歳の記念展となるのか、来年は今までになく大きな展覧会を控えています。今回ACさんでさせて頂くテーマに選んだ「野菜」も、節目への道しるべのように、自分では感じている。

 野菜だけではなく、身近な畑や家庭菜園からインスピレーションを得た小さな抽象や、器の絵、花の絵もご覧いただきます。詳細を 'exhibit' のページにUPしました。ぜひ春の銀座へお出かけください♪

 

5 Mar 2018




熊谷守一さんの絵

 やっぱり書かないわけにはいかない。

 先日の東京のレッスンの後、もうこの日しか行ける日がないという午後に、用事を済ませ、やっと竹橋の国立近代美術館に行って来れた。もっともっとじっくり観たいし、できることならもう一度行きたいくらいだが、それはいつか、岐阜にある美術館を訪ねる日を夢見て待とう。

 たった2時間ではあったけれど、巨木の幹に耳を押し当てたときのように、様々な思いが沸き起こり、その根元にあった木の葉一枚、小石一個をしっかり握りしめて帰ってきた。こんな展覧会を観られたことに、ただ感謝です。




 夢中で絵を観ながら順路をめぐっていて、ふっと我に返った。美術館の広い空間が、静寂で満たされているのに気が付いたのです。熊谷さんの絵を、こんなにも大勢の人が求めているのかと驚くほど、様々な年代、多くの人々がいるというのに、空気がしんと静まり返っている。

 みんな、仏さまの像を拝むような気持ちで、絵を「体験」しているのではないかと思いました。

 熊谷守一さんのことを知ったのは、30年ほど前に遡ります。図書館で、『蒼蠅』と『へたも絵のうち』と言う、熊谷さんの言葉が聞き書きされた本を偶然にみつけ、当時は古書で探すなんて言う考えも浮かばぬまま繰り返し借り、読書ノートに書き写していた。ちょうど、フルタイムのイラストレーターとしてスタートした頃。熊谷さんの数々の言葉には、以来ずっとお世話になっている。絵を描くことの心得のように、影響を受け続けています。

 熊谷さんの絵や書には、観るたびに新しい思いが起こる。何か宇宙の根源的なものと通じているからではないかと思う。それはひとえに、ものを「よく観る」。そして「よく感じる」ことから始まるのではないだろうか。


  「同じものを何度も描くうち、よいものが生まれる」


 うん、対象も、自分の描いた絵も、よく観ること。あと、光と影を、平面的な着彩で表すことなども、今回の展覧で響いた。

 ご本人も好まない呼び名だと本で知ったせいもあるのか、私にとって熊谷さんは「仙人」ではない。もっと生な人間のように思います。

 絵がうまく描けないとき、それを「おもしろい」などと仰る。でもはたから見ている奥さまによれば、画家はそんな時、怖い顔をしている。でも「おもしろい」とご本人は思いながら描いている。

 篠田桃紅さんもまた私の心の師匠ですが、やはり上手く描けないとき、「自分はこの程度なのだ」と思って、くよくよしないとあった。くよくよしないということは、「次」を見ているということで、やはりそれは「おもしろい」ことなのではと思う。

 上手く描けないことがほとんどの私にとって、なんと励みになる言葉だろう。

 あれはいつ頃だったか、今は豊島区立になった、千早の熊谷守一美術館に初めて行った。一家が暮らしていたその場所に、次女の榧さんが建てられたモダンな美術館。ちょうど榧さんご自身が個展をされていて、ひとけのないギャラリーにひとりでおられた。言葉を交わした記憶はあるものの、この方が・・・とドキドキして、何を話したか覚えていない。今だったら、こんなこともあんなことも訊きたいのに。若かったのですね。 
 



 さて、何かにものすごく感動をした後には、おまけのように「不思議」が起こるものですが、展覧会にノックアウトの翌日、三島に所用で出かけた折、こんな白猫に出合いました。お寺の門にたたずんで、こっちを向いて。その眼は昨日観てきた熊谷さんの描く「白猫」にそっくりだった。熊谷さんは猫の眼に、あるリズムを与えていた。この子の眼にもそれがあった。

 ありがとう、の思いで写真を撮りました。立ち去りがたかったけれど、猫の方が先に、次の用事へと去って行った。いつも猫に出合ったときにするように「車に気を付けるんだよ」。私も去りながら、心で唱えました。

4 Mar 2018




チカラ飯

 だんだん佳境で、悪夢さえ見なくなってきました。グループ展と個展の準備、間に合うだろうか。

 月に一度訪問してくださる父のケアマネージャーさんには、この恥ずかしい舞台裏を見せざるを得ない。茶の間が荷物や額縁の山で、エライことになっているからです。

 美人で可愛くて明るくてやさしくて、父も私も大好きなその方が、「でも何とかできちゃうもんなんですよね」と笑顔で言ってくれたのはありがたかった。肩の力を抜くことができた。バラの絵の小品を観て、「わー・・・」としばらく感動してくださった後だったから、なおさらうれしかった。

 そんな今日この頃の私のサラメシは、パスタが多い。なぜに・・・と考えてみる。

 作る段取りがクリアで、時間の無駄がない。お湯を沸かすのに8分くらい。面を茹でるのに5分。その間、どんな具にしようかなと考えて、その準備までできる。しかも私は猫舌なので、出来上がってお鍋や道具を洗ってから、「ハイ、いただきます」がちょうどいい。父はこのようなものを食さないので、別にお弁当を用意してあるから、ひとり分。好きなように、組み合わせの実験ができる。作る喜び、愉しさがある。よって、どんなに忙しい時でも、苦にならないのでアール。

 左からシーフードとそら豆のパスタ。搾菜と大根おろしのパスタ、シーフードと青じそとカラスミのパスタです。カラスミパウダーは、よく行くスーパーの片隅で発見して以来、はまってます。

 


 その個展です。4月3日から8日の会期で、久しぶりに銀座ACギャラリーさんにお世話になります。

 今回は野菜の絵を、新しくご覧に入れたいと思っています。あまり数は多くないですが、ああ、きれいだなーと思って、気合で描いたお野菜、10数点を額装します。

 ほかに、イラストレーションや挿絵で、野菜や果物が題材となったもの、また私がよく歩く近くの畑の風景を、小さな小さな抽象にした水彩もご覧ください。畑のことを 'patch' と言いますが、紙のパッチワークも観てほしいなと思っています。まだ制作途中。間に合うようがんばります。花の絵も少し。

 詳細は以下の通りです。お運びいただけましたら幸せです。


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 さあ、今日も張り切ってまいりましょう♪