30 Apr 2018



ウォーホルへのオマージュ

 大型連休が始まり、公の休みにほぼ無関係人生の私も、なんだか妙にソワソワする。と言って、どこに出かけるわけもなく、たまった仕事、家事、庭仕事エトセトラ・・・の日々。5月のレッスンの準備もしています。

 今年の Hiro's Art Class では、毎回ある芸術家にスポットを当て、彼らの作品への尊敬の念とともに作品を作る「オマージュ」をテーマに制作を進めています。

 5月はペンとインクを使うレッスンをやりたいと、ずっと思っていた。それでアンディ・ウォーホルをやってみよう!と思いました。ご存知、70年代に地球をカラフルに染め上げたポップアート。その中でも特に特に華やかに、アンダーグラウンドと地上を直線最短距離で結んだような芸術を発明した人。

 キャンベルスープやセレブリティの肖像画も好きですが、私が惹かれるのは、この人がまだイラストレーターだった頃の作品群です。もう30年以上前に、まだ神宮前のワタリウムがギャルリーワタリだった頃、ウォーホルの版画展があった。その時に、初めてこのペンとインクの作品を知りました。以来もうずーっと、好きでたまりません。

 上は、猫の絵だけれど、他に花や蝶々や、アクセサリーや靴や、女性の横顔や天使などなど、本当におしゃれで愉しい作品を、山のように作っている。偉大な芸術家は、本当に働き者。先日観た藤田嗣治の「本のしごと」展でも思ったことです。







 これももうかなり前になりますが、ユニクロが、今となってはまだこじんまりしていた頃に出してくれたTシャツ。よくぞやってくれました! お店の中で拍手したくなったのを覚えている。もちろん!オトナ買い。

 彼がこのスタイルの絵を描くときの、独特のテクニックがあり、HICのレッスンではそれをご紹介したいです。またご自身の好きなテーマで資料を持って来てもらって、そこから洗練されたラインを起こすコツみたいなものも、お伝えできたらと思っています。仕上がった作品は、グリーティングカードに仕立てましょう。

 HICは単発でのご参加も可能です。詳しくはこのブログの lesson のページをご覧のうえ、お気軽にお申し込みください。まずはトライアルでと言う方には、画材をお貸ししますのでご安心を。

 5月の東京HICは20日(日)の午前~午後、沼津は17日(木)の午後です。今回も皆さんに、愉しんでいただけますように♪


18 Apr 2018




都会と田舎

 銀座での個展を終えて、早10日。日々があっという間に飛んでいきました。

 お忙しい中お時間を作って観にいらして頂き、本当に本当にありがとうございました。銀座では6年ぶり、3回目の個展でした。

 一度目は東北の震災、そして原発事故のすぐ後でした。見たことの無い、暗い暗い銀座だった。そんな中でも、公共交通機関を使って観にいらしてくださった皆さまへの御恩は忘れない。

 二度目は父が体調を崩した直後でした。

 今回はじめて何事もなく、無事に多くのお客さまを迎えられた銀座展。ギャラリーの赤瀬圭子さんと谷相さんに温かいサポートをいただき、搬入搬出を手伝ってくれたAさん、K子さん、そして姪のKちゃんにも感謝! とにかく無事に終えられたことにほっとしています。

 次回は地元、三島市での展覧会。2019年4月1日からひと月弱とたっぷりの期間、そして広くて素晴らしい会場で企画頂いています。すぐにそちらの準備に取り掛かるつもりです。




 沼津クラスの展覧会準備に始まった、めまぐるしい数か月でした。その間に冬が終わり、春も駆け抜けていった。新緑の自然に目を向ければ、おいしいお茶を「一杯どうぞ」と淹れてもらったように、疲れも取れ、心が整う思いがします。

 タイミングよく、友人のジャズベーシスト、金子健さんのライブが、車ですぐの裾野市中央公園内にある江戸時代の古民家、旧・植松邸で行なわれました。これは前日に道順を確かめるため、出掛けた時の写真です。




 上を見上げたり、足元に目を凝らしたり、園内にある五つの滝の水音に圧倒されたり。

 沼津から、長泉、裾野、御殿場を走るJR御殿場線というローカル線が大好きで、急ぐ必要のない上京時など、以前は時々乗っていた。松田まで出て、小田急に乗り換え新宿へ出ると、驚くほど交通費が浮くだけでなく、景色がいいので時間がかかっても飽きないのです。

 そんな時、イヤホンでジャズを聴きながら車窓を眺めるのが、たまらなく好きでした。運がよければ、富士山の勇壮な景色を角度の変化を味わいながら拝めますし、野山や田園の風景ばかりでなく、エメラルド色の渓谷が突如姿を現したりもします。

 ジャズと言えば、都会、夜、お酒、バー、というイメージですが、昼間の自然の風景とジャズの組み合わせもまた格別。




 旧・植松邸は、農家の家。保存状態がとてもよい、国の重要文化財です。




BEFORE



AFTER


 大黒柱、太い曲がった梁、囲炉裏越しに見るライブは、都会のジャズバーで聴くのとは違う趣。金子さんとピアノの田村和大さんの息の合った掛け合いに引き込まれ、素晴らしい演奏を堪能しました。茅葺屋根の下に集まった満員のお客さまも大喜び。一緒に行った父(何を隠そう、昔バンドをやっていた)は、金子さんとご挨拶ができて感激の様子でした。築300年のこのお邸も、こんな愉しいことをしてもらえて、どんなにか嬉しかったことでしょう。

 レイ・ブラウン、オスカー・ピーターソン、ナットキングコール、デューク・エリントン、チャーリー・パーカー等のナンバーに加え、アンコールにディズニー映画「ピノキオ」から「星に願いを」を聴けたのもよかった。この曲には、庄野潤三先生の思い出があるからです。

 大きな演奏会の予定もあるそうで、富士の裾野でジャズPart2が、今からすごく愉しみ。詳細が分かり次第、こちらでもお知らせしたいです。


6 Apr 2018



菜画展

 インスタグラムにリポートするだけで精一杯で、こちらには何も書けないまま、あっという間に4日目が終わりました。毎日多くのお客さまにおいでいただき、本当に本当に感謝でいっぱいです。

 

 これは初日の朝に撮りました。まだがらんとしたギャラリーですが・・・

 オープン間もない時間に、サプライズ! 沼津の隣の清水町から、私の大好きなお花屋さん、giverny の三保夫妻が、素敵にアレンジされたお花を抱えて登場してくれたんです。お忙しいお二人なのに、遠くから本当にありがとう!




 その後もさまざまなお客さまが続々いらしてくださり、赤丸をいくつも頂いた。野菜の絵も好評です。

 夕方からはオープニングレセプションをしていただきました。オーナーの赤瀬圭子さん作の器に(圭子さんは陶芸作家とギャラリーオーナーの二刀流)、美味しそうなおつまみがどんどん並んで出てくる。そこへ麻布十番時代からお世話になっているYさんが、天むすを30個も(!)差し入れしてくださって感激。




 その間、このようにみなさん作品をとても丁寧に観てくださって、様々な感想や質問を投げかけてくれたのが、うれしかったです。

 そのうち青木和子さんもいらしてくださり、みんなも私も超・大興奮! 思い出に残る初日となりました。




 これは今回初めて発表した、野菜の絵のコーナーです。私の絵は女性ファンの方が多くいてくださいますが、この作品に関しては、男性の方々からも有難い感想を頂いています。

 3日目のこと、誰よりも遠くからのお客さまが来てくれた。南アフリカのケープタウンから。帰郷が重なった昔からの仲良し、Mちゃんです。「Hirolyn(私のニックネーム)、これは『禅』だね」だなんて、最高にうれしいことを言ってもらう。戦友のようなMちゃんにそう言われて、そこへ少しでも近づけるように、これからもがんばろうと誓う。




 作品展はあと二日、明日7日(土)と8日(日)で終わりです。もうすでに今から寂しい。ACさんの白く四角いスペースに、私の世界がカチッとはまっているのを観るのは、本当に幸せな事。個展は幸せ。心新たにそう感じています。

 exhibit のページをご覧の上、よろしければ、ぜひぜひ観にいらしてください。両日とも在廊します。