絵を描く悦び
〇月✕日
まだサマータイムのロンドンと、8時間の時差で水彩クラスをしました。生徒さんたちに最近好評の「10分でスケッチ」'10 minutes Sketch' 。今夜は英国とのレッスンだし、私はこのヴィンテージの紅茶缶を描くことに。
タイマーを10分にセットして、'Ready, steady, go!' 。この10分で、どなたも新しい自分を発見されるのです。
コロナ後に始めたオンラインのレッスン。最初は手探りだったけれど、すっかり当たり前のこととなりました。それでもいまだに不思議でならない。特に、海外とのレッスンは時差があるから、ふっと我に返ると魔法みたいです。
もちろん会った方がいいに決まっている。けれど、この新しい方法が、まったく悪いとは思えない。想像力が感受性をカバーしてくれる。綱の長ーいブランコに乗ったみたいに、勢いを持って画面と向き合う。今夜も愉しいひとときでした。
〇月✕日
待ちに待ったスタイラスペンが届いた。iPadの高性能ペンは2万円もするのだそうですね。これはその約1/10のお値段。それでも感度がよいので、描くのがぐっと楽になりました。夕飯後、同じ紅茶缶を描いてみる。
結構、気に入った。少しずつ感覚がわかってきたような気がします。
この「画材」を、ホックニーがするように、ひとつのマテリアルとして使いたい。
たとえば「水彩風に描く」とか「ペン画風に描く」とか「鉛筆画風に描く」とか「コミック風に描く」のではなく、この画材らしさを生かして描いてみたいです。便利な画材としてではなく、新しい画材として使いたい。だから難しい。そして面白い。
〇月✕日
先日の韮山の黄金色に染まった田んぼ。お米の美味しい季節ですね。この「ご飯大好き人間」に、Sさんが今年も新米を届けてくださった。一束の稲穂も一緒に。うれしい。お正月のお飾りに使わせて頂きます。
でもお正月まで待てずに、竹筒に飾って眺めています。
ご飯はいつも、ストウブ鍋で炊いています。美味しいだけでなく、短時間で炊ける。便利です。
間引き人参の葉っぱが手に入ったので、ふりかけを作る。めったに見かけないから、幸運に喜ぶ。
美味しいので、あっと言う間に無くなりました。
〇月✕日
相変わらず、デジタルスケッチに夢中です。庭のホトトギス。自分なりに、この画材にできることが見えてきたような気がする。
眼のことを考えたら控えめにすべきと思うのだけど、一日の終わりにコレをやると、気分がすっきりします。
子どもの頃、熱を出しても、絵を描くと治った。
好きなように描く事。そうすれば、描くことは自分を解放し健康にしてくれる。でも健康のために描くわけじゃなく、愉しいから、面白いから描くだけです。
〇月✕日
Hさんに美味しいハーブティーを頂きました。イギリス時代を思い出す山野草、ネトルがブレンドされています。
この葉っぱは、ちょっとでも触れるとヒリヒリピリピリするような痛みを生じて、実に悩ましい草だった。田舎歩きをするときはもちろん、近くの緑地帯、ウィンブルドン・コモンを歩くときにも気をつけた。罪のない大葉のような形なので、最初は全く警戒できず、何度も泣かされた。
しかしお茶にすれば美味しく滋養に満ち、私は未体験だが、お料理にも使えるそうです。日本の十薬、ドクダミのような存在だろうか。
甘くてさっぱりとして、クセになりそう。少しずつカフェインを控えて行こうと思っていたところでした。ありがとう。