上野の都美術館で開催中のこの展覧会を、先週友人と観てきました。まだ梅雨明け前で天気もちょっとどんよりしていたけれど、潔さいっぱいのマスターピースの数々に、気持ちがカチッとアジャストされた感じです。
展示の仕方が面白くて、年を追って1点ずつ、作家の言葉も添えられての紹介。今思いだすと、まるでタイムマシンに乗って旅をしたような満足感。
いくつもある好きな作品から、特に好きだったブランクーシの「眠れるミューズ」とブレッソンの写真「サン=ラザール駅裏」。それに上には載せられなかったけれどアレクサンダー・カルダーの「4枚の葉と3枚の花びら」。前から好きだった作品に、時を経てまた会えたことが、親しい友との再会のようにうれしかったのかもしれない。
メモしてきたことばを、忘れないうちに記します。
●当初の構想が消え去ったとき、絵画ははじめて完成する。(ジョルジュ・ブラック)
●呼吸するように創造することができたら、それは真の幸福でしょう。そこに到達すべきなのです。(コンスタンティン・ブランクーシ)
●私は他の人が自伝を書くように絵を描いている。(パブロ・ピカソ)
●人はかたちを見るとき、それを聴かなければならない。(セルジュ・ポリアコフ)
●私は作品の手本となる宇宙の体系に、いつも心うばわれていた。宙に浮かぶ天使に魅了されて、最初のモビールを制作した。(アレクサンダー・カルダー)
●動くものを動かなくするかわりに、動かないものを動かす。これが彫刻における真の目的である。(レイモン・デュシャン=ヴィヨン)
●写真が私を捉える。その逆ではない。(アンリ・カルティエ=ブレッソン)
最後に私の生まれ年の場所で紹介されていた、エロと言う作家。私はこの人を知らなかったのですが、ダダっぽいコラージュとともに、クラスのみんなにも聞かせたい、弾むようないい言葉が紹介されていた。
●切り抜く作業はどんどん進みたやすいが、切り抜いた断片を貼りつけるときは、まるで夢の中にいるようだ。それは本当に愉しい。私が世界で一番好きなこと。それがコラージュだ。(エロ)
あー、おもしろかった。