大中寺とバラカンさん
昨年に続き、市内のお寺、大中寺の副住職、下山光順さんが企画してくださった、ピーター・バラカンさんによる出前DJ。告知の日からずっと愉しみにしていました。
「抗議する音楽」'Rebel Music' 'Protest Songs' というお題も昨年と同じく、副住職さまからのご提案だったそう。まず英語の 'rebel' という言葉について話された。日本語訳だと「反逆者、反乱者、反抗する、逆らう」など否定的なイメージで表される。しかし理不尽なことに対する抗議も 'rebel'。肯定的な意味を持つものでもあるのだと、ピーターさんは仰る。
物心ついた頃から音楽が好きだった。ギターが趣味だった父の影響です。さまざまな音楽に感動してゆくうちに、いつの間にかジャンルで仕分ける必要を感じなくなった。視野が広く、信じる心を持ったピーターさんのラジオ番組は、聴いていて学びが多い。
今年Eテレで放送された「未来へのプレイリスト」という番組も、貴重なフィルムや、ピーターさんとゲストとの対話が面白かった。シリーズ2も、是非やってほしいです。
今年も社会の理不尽へ抗議する音楽を、時にユーモアも交えながら、静かに惜しげなく語り紹介してくださった。聴きながら、音楽好きにとって音楽は生きることに直結しているとつくづく感じました。広い本堂に満席のお客様たちも、皆そうだったんじゃないかと思う。
イギリスに暮らしていた頃、あれ?と不思議に思ったことがあった。ラジオから流れるポップミュージックの半分以上、7割くらい? アメリカの音楽なのです。アメリカのロックやポップやブルーズやジャズが、なぜこんなに愛され、いくら同じ英語圏とはいえ、他国で聴き継がれ、影響を与え続けているのか?
まさに理不尽なニュースばかりの最近、思うことがあります。アメリカは豊かな夢の国と受け止められがちだけれど、長い歴史の中、苦しむ民衆を抱え続けているという事実もある。侵略、差別、貧困、格差、暴力、そして戦争・・・。 'Rebel Music'。人が巨大な力の為す苦しみから、簡単には逃れられずとも、希望を失わないため、精神をキープするために、歴史の中で音楽が大きな大きな救いになっていることに気付かされる。音楽が持つ力。そのビート、そのメロディ、その詩情、その魂。アメリカに生きる個人が生み出す様々な音楽は、真に「善きこと」への共感や気付きを、世界中の庶民に与えてくれている。
4月に予定している沼津での作品展。久々の地元での個展に向けての、大きな励ましを貰った思いです。



