「きれいな空だ、ドン」
「完璧な空だと思うか?」
「完璧って何だ」
「完璧な人格っていうだろ?そういう意味でさ」
「空はいつだって完璧さ」
「一秒ごとに変化してるのに完璧だって、そう思うか?」
「ああ、海もそうだ。完璧だ」
「完璧であるためには、一秒ごとに変化しなくてはならない。
どうだ、勉強になるだろう」
リチャード・バック『イリュージョン』より
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若い日に読んだこの言葉、今まで数えきれないほど、様々な場所、様々な状況のもとで思い出し、心のバランスを取る助けにしたと思う。
写真はイマソラじゃなくてキノソラ。近くにこんな大きな空が見える場所があることが、有難い。
一方こちらは、イギリスを代表する風景画家、コンスタブルが「空」を描いた習作。イギリスのインテリア誌 'The World of Interiors' がだいぶ前に特集したもの。
この絵は 'Cirrus Clouds' 「巻雲」というタイトルで、1822年にロンドン北部のハムステッドで描かれた。
この頃、コンスタブルは100枚もの空の習作を、比較的小さな画用紙やカードに描いていた。特に好んだ空は、正午の頃と夕暮れ時だったらしいが、夜明けから日没まで、晴れても雨でも嵐でも、その目を天に向けて描いていた。記事には、一枚にかけた時間は約一時間とある。
後で時間をかけて、ちゃんと読んでみようと思う。
この巻雲の絵がプリントされたカードを、長らく机の前に貼っている。17、8年は貼っている。今、久しぶりにひっくり返してみたら、Victoria & Albert Museum で買ったものだった。