12 Apr 2025



シャガの花

 今年はシャガの花が今までになく沢山咲いてくれて、小さな庭が賑やか。コロナ前になるから、もう6、7年経つだろうか。明日館でレッスンをしていた頃、行き帰りにによく立ち寄った目白庭園で、ひと株手に入れたものの子孫です。

 ゆっくりゆっくりと、植物は歩く。

 そもそも目白庭園からスカウトした苗は、今盛んに咲いている場所から少し離れたところに植えた。しかし一年ごとにじわじわと移動し始める。はじめは迷走している感じだった。でも数年後、狙いを定めたかなと感じた。

 日があまり当たらないので日光を必要とする花は植えられないから、アイビーで地面をカバーしていた塀に沿う狭い場所があり、去年あたりからそこが気に入ったのが見て取れた。力強い古株アイビーをものともせず、スッとしたシャガの葉が秋から冬にかけてバリバリと伸び始めたんです。

 そして春。ずらり花穂が景気よく伸び、次々咲いてくれている。ありがとう。うれしいよ。



 肥料も何も与えていないのに、こんなに元気に咲いてくれた。

 NHKのカールさんとティーナさんの番組が好きで、よくオンデマンドで観ています。お二人の庭にもこの花が咲く。ティーナさんが大好きだと仰っていた。共感します。




 うちのシャガのふるさと、目白庭園。これは冬の景色です。池の周囲は5分もかからず一周できる、こじんまりとした回遊式日本庭園。もとは大地主の敷地だったそうで、1990年に江戸時代以来の伝統を踏襲し作庭されたとのこと。案外新しいんで驚く。築地塀も長屋門も風情がある。

 赤鳥庵という数寄屋造りの平屋が園内にある。童話作家の鈴木三重吉がこの近所に住んでいたそうで、三重吉が発行した子供文芸誌「赤い鳥」から名前を取ったのだそうです。

 時には池のほとりの六角浮き見堂で、持参したおにぎりやサンドイッチをサクッと食べてから明日館に向かった。懐かしい場所です。 

9 Apr 2025



Arrival of Spring

 春ですね。ホックニーが言うように、「春の到来」、これ以上のよいニュースはない。特に最近の世界情勢、地球のことも、なんでそうなるの?ということばかり。こんな風に穏やかな春を愛でられる。それを幸せと感謝し、心身を健やかに保つ小さな工夫を重ねています。




 絵を描く事、創作すること、課題や発表のプランを立てる事は、明日への待歯石。大きな励みです。

 桜の花を描きたいと仰る水彩クラスの生徒さんに昨日お伝えしたことは、花だけが独立して美しく見えるのではなくて、空の色、周囲の新緑、建築物など、それらとのハーモニーによって、花が生き生きと目に飛び込み、魂が震える=感動するのだということ。

 色に汚い色はないと、何十年も前、イラストレーターとして駆けだした頃に気が付いた。朝から晩まで、描いて、描いて、描いて・・・。そのうちふっと、隣り合う色との響き合いによって、どんな色彩も美しく輝くことを知った。嫌いな色というものが無くなった。
 


 周囲とのハーモニーがあるからこそ、どんなものも光を放つ。響き合いに敏感になると、対象をよく観ないわけにゆかなくなる。色彩ばかりではなく、光と陰、象(すがた)を知ることにつながってゆく。



 絵を描くことは、発見すること。探すのではなく。世界は美しいものに溢れています。