草の上 花の下
河 田 ヒ ロ の J O U R N A L / 日 々 の こ と
28 Oct 2024
18 Oct 2024
その後も多くのお客さまをお迎えし、感謝の初日を送ることが出来ました。
「愛」だと思いました。受け継がれる「愛」の力です。「真心」と言ってもいい。時には厳しく、しかし温かく、言葉と身振りと眼差しで、演奏家たちのハートに飛び込んでいく。何かを低く見積もるという事をしない。最高の表現に近づく努力を惜しまない。ドゥダメル自身、恩師や先輩から引き継いだバトンを、次の世代に渡してゆく。広めてゆく。あの笑顔で。
4 Oct 2024
2 Oct 2024
私の部屋のポプリ
作家の熊井明子先生がお亡くなりになりました。一昨日の早朝、桐原春子さんのインスタグラム投稿で知り、寂しく、また励まして頂いたことなど思い返し、お弟子さんであるIさんとメッセージを交わしました。
拙著『イギリス暮らしの雑記帖』に、熊井先生のことを書かせて頂いたことがきっかけで、お便りを頂いたのは、もう22年も前のことです。
6章目、Natural Finds 「散歩で見つけた宝物」の第一話、「香りのオブジェ、ポプリ」という一文の冒頭。久しぶりに引用させて頂きます。
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「ポプリ」という言葉を知ったのは中学生の頃。当時創刊になったばかりの雑誌『私の部屋』に連載されていた、熊井明子さんのエッセイによってでした。熊井さんの綴られる知的で細やかな言葉自体が、すでにポプリのように香しく、また高柳佐知子さんの挿絵は上質のレースのように繊細で、「あぁ、私も早くエレガントな大人になりたい」と憧れたものでした。
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先生はお弟子さんのお一人に私の本のことを伝えられ、すぐに読んでお便りをくださったのです。その内容は感激以上。気に入った本の気に入ったページを、犬の耳なんてもんじゃなく、先生は大きく折り返すのが習慣だそうですが、「あなたの本がアコーディオンのようになりました」とのお手紙。タイムマシンに乗って、中学生の自分に「あのね!熊井さんがね!!」と耳打ちしたい衝動にかられたのを覚えています。イギリスへ行ってよかった、本を書かせてもらえてよかった。熊井先生の欧米人のようなストレートなご感想を、年下の世代への温かな励ましを、心底有難く思いました。
熊井先生のエッセイに出合えたことが、今もなんとか執筆の仕事をたった一つですが、続けてゆける原動力の一つだと信じています。
先生にあんなに励まして頂いたのに、力足らずで、あれ以降は遅々として進まず不甲斐ないです。しかし今年の春号のエッセイで、再び熊井先生のことに触れさせていただいたばかり。その見本誌をお贈りできたのが、あまりにささやかではありますが恩返し・・・いや、まったく足りない。もっと学び、もっと感じ、もっともっと書いて伝えることに、絵を描くことと同じく励みたいです。
これも偶然なのですが、この冬号で24編となる「私の花生活」に掲載されたエッセイを、もっと多くの方に読んでいただけたら・・・。少しずつブログで公開してもよいでしょうかと、編集長に許可を取ったのは、この訃報を知る前日でした。
直接お目にかかったのはたった2回でした。抽斗から貴重なお写真を出してみると、熊井先生、桐原春子さん、永田ヒロ子さんと私が写っています。お三人は揃って紫をベースにしたシックな装い。私だけ白いブラウスジャケット。先生は「三りんの紫の花と白い蝶、という感じ?」とお優しい言葉を添えてくださいました。日付を見てびっくり。2009年の10月2日。15年前の今日でした。胸が熱くなりました。
30 Sept 2024
案内状のこのお家、お気づきの方がいらっしゃるか・・・。仲間への思いを込めて、「HAC」のアルファベットをコラージュしました。
なお、会期中23日の絵日記ワークショップについては、明日にも lesson ページとinstagram にサンプル作品と共にアップします。残席僅かではありますが、コラージュ日記にご興味のある方、よろしければぜひご参加ください。
26 Sept 2024
気分を「そっち」に持ってゆく工夫は、いつもしています。どうしたらごく「自然に」描いたり物を作ったりする事ができるか。ヘンな力が加わらずに。
水彩の絵日記が愉しく、そうだ!コラージュで日常を貼ってゆくのもいいなと考えました。
9 Sept 2024
実際サンプルを縫って使ってみて、思い違いに気付くことになる。節子さんとバルテュスのように、お部屋が何十何百もあるお城のようなお邸に住んでいるわけではないのだから、はじめは外出時にバッグの中で、本を傷めないために便利だろうと思うくらいだった。それがちょっと違ったんです。この狭いちっちゃな家の中でも、読みかけの本を入れて持ち運んでいる自分に気付いたとき、本への尊敬というものが形になったもの。それが書帙なのだとわかったんです。