28 Oct 2024




ありがとうございました!

 昨日、2週に渡る会期を無事終えることが出来ました。初めての企画展で、ドキドキもあったけれど、最終日まで本当に多くのお客さまにお出でいただくことができ、メンバーみんな感謝でいっぱいです。

 昨日は夕方4時少し前から有志が集まり、片付けをスタート。飾りつけされた会場での集合写真をうっかり撮り忘れてショップを後にした・・・のですが、「そうだ!」とすかさずリベンジしましたよ。明日館の正面中央、いつも結婚式の写真が撮られる特等席に並んでみたのです。黄昏時の明日館の琥珀のような輝きとともに、最高のショットを残すことが出来ました。

 その後の打ち上げでは、カンパーイ、そして会期を振り返り反省会もしました。それぞれが今まで以上に主体的に取り組んだことで、お一人お一人から貴重な意見を聴くことが出来た。新しい経験、「次」に生かせます。

 そうです! 「次もぜひお願いします」と、担当のTさんが仰ってくださったのです。やったー!

 いつになるかは未定ですが、またあの開放感あるスペースで、レッスンの成果とみんなの創作を発表する機会を頂けそうです。

 その日を目指してまた毎月のレッスンを、ひたむきに、希望を胸に、ちょこっと冒険もしながら続けてゆきたいです。








 遠くから、近くから、お時間を作ってご来場くださった皆さま。

 この初企画展の提案を、快く受け入れてくださったJMショップギャラリーの皆さま。

 毎日顔を出して応援してくれた、館長はじめ長ーいお付き合いの明日館スタッフの皆さま。

 そして長期に渡り試行錯誤を経て制作に精を出し、美しいものを山盛り生み出した、我らが 'Sweet 16 Ladies!' 。

 心より、ありがとうございました!

18 Oct 2024

 



Group Exhibition 'HOMEWORK'

 東京豊島区西池袋にある国の重要文化財、自由学園明日館。その敷地内のJMショップギャラリーにて、一昨日より私たち Hiro's Art Class のグループ展を開催しています。

 初日在廊しました。朝いちばん、開店を待って下さっているお客さまは、なんと盛岡の方。有難かったです。ゆっくりじっくりご覧くださり、いくつもお買い物をしてくださいました。

 その後も多くのお客さまをお迎えし、感謝の初日を送ることが出来ました。

 今回は初の企画展で、水彩画作品、プリント作品、ハンドメイド作品がいーっぱい並びました。みんな頑張りました。Zoomのレッスンを通じての指導。コロナ禍のなか、ありとあらゆるハンドメイド作りや水彩の試みで、みんなして気持ちをキープしてきました。Stay Home の HOMEWORK。大変な数年でしたけれど、結果、メンバーの表現力がぐっと上がったと、講師は思います。
 


 
 そしてちょっとハードルを上げたこの企画に、惜しみなく持てる力を注いでくれたメンバー有志。愉しい空間を一緒に作り上げることができて、おひとりおひとりの努力に心底感動です。




 'output' の睡眠不足が続いていましたが、やっと熟睡して疲れが取れたので、今日は 'input' の日。映画を観てきました。Gustavo Dudamel のドキュメンタリー、「ビバ・マエストロ!」です。クラシック音楽にはまるで詳しくないのですが、この方の存在をある方に教わってから、時々聴くようになり、そのたびこの指揮者の肯定的で圧倒的な説得力、共感力にインスパイアされます。

 どうやって大勢の若者や個性的な演奏家を束ねるんだろう。どうやって強い影響力で彼らのパワーを最大限に高め、引き出すのだろう。気になりながら観ました。

 「愛」だと思いました。受け継がれる「愛」の力です。「真心」と言ってもいい。時には厳しく、しかし温かく、言葉と身振りと眼差しで、演奏家たちのハートに飛び込んでいく。何かを低く見積もるという事をしない。最高の表現に近づく努力を惜しまない。ドゥダメル自身、恩師や先輩から引き継いだバトンを、次の世代に渡してゆく。広めてゆく。あの笑顔で。

 ロビーで偶然にも知人のMさんとばったり会って、感想を確認し合うこともでき、よき充電日となりました。どんなに荒れ果てた大地にも、春は必ずやってくる。明日もがんばれます。

4 Oct 2024

 



2025 FLOWER CALENDAR

 今年もこの季節になりました。16日から始まる東京のグループ展に、何とか間に合いそうです!よかった。

 今年のテーマは「花」一本に絞りました。とりとめなくスケッチしてきたものを、12か月に配分する、その作業に苦心しつつも愉しくて、また来年も花にしよう!と気だけは早い自分です。

 以前、友人と3人で好きな花について話したとき、ふたりは迷わず大輪の花を挙げていた。私はと言えば守護花にヘザー(エリカ)を選ぶくらいですから、小さな花ばかり。今回もそんなチョイスになりました。

 唯一大輪的カラーリリー(8月)も開花前を描いたもので、楚々として凛として美しかった。8月は暑さに参る季節なので、この花に任せることに。

 精細なプリントに定評のある印刷会社にお願いしました。この花もきれいに色が出るといいな。庭で咲いている、カタバミ科カタバミ属の 'Oxalis Triangularis' です。日本では「紫の舞」と呼ばれる花。とても丈夫で、暑さにも寒さにも負けません。紫の三角の葉が個性的な南米産。ブローチみたいに、小さな庭のアクセントになってくれる。おそらく来年も残暑厳しい、9月を担当してもらいます。




 来週印刷が仕上がってきたら、あらためて写真を撮ってみます。グループ展の準備にパンパンの毎日ですが、到着がとても愉しみ。

 ご予約について、shopページを更新しました。どうぞよろしくお願いします。(グループ展でも、もちろん販売します♪)

2 Oct 2024

 


私の部屋のポプリ

 作家の熊井明子先生がお亡くなりになりました。一昨日の早朝、桐原春子さんのインスタグラム投稿で知り、寂しく、また励まして頂いたことなど思い返し、お弟子さんであるIさんとメッセージを交わしました。

 拙著『イギリス暮らしの雑記帖』に、熊井先生のことを書かせて頂いたことがきっかけで、お便りを頂いたのは、もう22年も前のことです。

 6章目、Natural Finds 「散歩で見つけた宝物」の第一話、「香りのオブジェ、ポプリ」という一文の冒頭。久しぶりに引用させて頂きます。


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「ポプリ」という言葉を知ったのは中学生の頃。当時創刊になったばかりの雑誌『私の部屋』に連載されていた、熊井明子さんのエッセイによってでした。熊井さんの綴られる知的で細やかな言葉自体が、すでにポプリのように香しく、また高柳佐知子さんの挿絵は上質のレースのように繊細で、「あぁ、私も早くエレガントな大人になりたい」と憧れたものでした。


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 先生はお弟子さんのお一人に私の本のことを伝えられ、すぐに読んでお便りをくださったのです。その内容は感激以上。気に入った本の気に入ったページを、犬の耳なんてもんじゃなく、先生は大きく折り返すのが習慣だそうですが、「あなたの本がアコーディオンのようになりました」とのお手紙。タイムマシンに乗って、中学生の自分に「あのね!熊井さんがね!!」と耳打ちしたい衝動にかられたのを覚えています。イギリスへ行ってよかった、本を書かせてもらえてよかった。熊井先生の欧米人のようなストレートなご感想を、年下の世代への温かな励ましを、心底有難く思いました。

 熊井先生のエッセイに出合えたことが、今もなんとか執筆の仕事をたった一つですが、続けてゆける原動力の一つだと信じています。

 先生にあんなに励まして頂いたのに、力足らずで、あれ以降は遅々として進まず不甲斐ないです。しかし今年の春号のエッセイで、再び熊井先生のことに触れさせていただいたばかり。その見本誌をお贈りできたのが、あまりにささやかではありますが恩返し・・・いや、まったく足りない。もっと学び、もっと感じ、もっともっと書いて伝えることに、絵を描くことと同じく励みたいです。

 これも偶然なのですが、この冬号で24編となる「私の花生活」に掲載されたエッセイを、もっと多くの方に読んでいただけたら・・・。少しずつブログで公開してもよいでしょうかと、編集長に許可を取ったのは、この訃報を知る前日でした。

 



 直接お目にかかったのはたった2回でした。抽斗から貴重なお写真を出してみると、熊井先生、桐原春子さん、永田ヒロ子さんと私が写っています。お三人は揃って紫をベースにしたシックな装い。私だけ白いブラウスジャケット。先生は「三りんの紫の花と白い蝶、という感じ?」とお優しい言葉を添えてくださいました。日付を見てびっくり。2009年の10月2日。15年前の今日でした。胸が熱くなりました。

 桐原さんとは別の方角から、イギリスでお世話になったある方のご紹介でお近付きになれたのですが、それもまた偶然が重なっての幸運でした。思えばお二人とのご縁は、不思議なことだらけです。

 最近また「私の部屋のポプリ」を読み返しています。時代の象徴のような話題も多いのに、古さを全く感じません。それはことばのひとつひとつに、人類普遍の「真心」がこもっているからだと思うのです。そのことを、十代の若葉の頃に滋養たっぷりのエッセイから、恵みの雨を浴びるように学ばせて頂いたこと、あらためて有難い思いでいっぱいになります。

 心よりご冥福を祈ります。

 合掌

30 Sept 2024

 


HIC & HAC

 今日で9月もおしまい。先週急いで案内状をお送りしました。明日から切手代が値上がりしますから、少々慌てました。直筆でご挨拶も書けずにハガキだけが届くと思います。お受け取りの皆さま、どうか失礼をお許しください。

 お届けできなかった皆さまも、よろしければぜひ足をお運びくださいませ。お待ちしています。詳しくは exhibit のページをご覧ください。

 縁あって、国の重要文化財、自由学園明日館でお教室を開くことが出来たこと、あらためてなんて幸運だったことかと感謝の思いでいっぱいになります。最初は2006年のことでした。それまで関連する婦人之友社さんのお仕事をたびたびさせて頂き、編集者さんから明日館の素敵なことは聞いていました。担当者との面談を経てお許しいただき、はじめは単発でのレッスン。間もなく月に一度コラージュクラスをさせて頂くようになり、そのうち生徒さんたちからご希望を頂いて水彩クラスを2つ。毎月3回もあののどかな校舎に通っていたのです。コロナ禍が起こるまでは。

 今はZoomクラスが中心になっていて、教室での対面レッスンは年に数回。それでもこの貴重なご縁が途切れずに、スタッフの皆さんにも本当によくして頂き、明日館への思いはまさに故郷を想う気持ちです。

 さて、グループ展搬入日まで、秒読みとなってきました。参加メンバーみんな、頑張って下さって、素晴らしい作品が生まれています。こういうとき、謙虚にケンソンしたほうがいいのかな。いや、できません!いいものはいい!ですもの。

 販売を中心に据えた、クラスとしては初めての企画展です。グッズや作品は、お求めくださったお客さまがその日にお持ち帰りいただけるものがほとんどですので、もし可能ならお早めに!



 案内状のこのお家、お気づきの方がいらっしゃるか・・・。仲間への思いを込めて、「HAC」のアルファベットをコラージュしました。

 なお、会期中23日の絵日記ワークショップについては、明日にも lesson ページとinstagram にサンプル作品と共にアップします。残席僅かではありますが、コラージュ日記にご興味のある方、よろしければぜひご参加ください。

26 Sept 2024

 


ちいさな工夫

 こんな箱を作って、10月のレッスンとワークショップの準備をしています。コラージュに使う紙切れをカットして、色別に平たい箱に収めて机の上に置いておけば、気が向いた時にパッと取り掛かれるでしょう? だからこれは私のコラージュパレット。来月のレッスンとワークショップで提案します。

 気分を「そっち」に持ってゆく工夫は、いつもしています。どうしたらごく「自然に」描いたり物を作ったりする事ができるか。ヘンな力が加わらずに。
 



 赤いボタンはイギリスの友人Gillさんから以前いただいたもの。グリーンはGUのカーディガンのボタン、ブルーはアメリカで幼少期を過ごしたSさんの子ども時代のお洋服に付いていたボタン(どんなに可愛いお洋服だったことでしょう!)、黄色はポートベローでヴィンテージボタン一袋を買った時に混ざっていたもの、透明の飾りボタンはロンドンのCaryから、最後の黒い花の貝ボタンは浅草橋のボタン問屋でスカウト。すべてに小さな思い出があります。




 このカードは去年レッスンで作ったもので、高村智恵子の切り絵へのオマージュです。

 水彩の絵日記が愉しく、そうだ!コラージュで日常を貼ってゆくのもいいなと考えました。

 そんなわけで10月からのレッスンは、絵日記がテーマ。10月のグループ展では、instagramに更新している水彩植物日記の現物をご覧に入れたいです。

 また会期中の23日には、明日館のお教室で、絵日記ワークショップもする予定です。愉しみです♪

9 Sept 2024

 


本への尊敬

 物心ついた頃から、本を読むのが好きでした。字が読めるようになった5歳か6歳の頃から、その年にしては少し難しい本を父が与えてくれたこと。今も感謝しています。若い頃はずっと読書ノートをつけていて、そのボロボロの大学ノートには、今もよく助けてもらう。

 今年は気象状況が特別激しく、気持ちのざわつくことが多いので、こういう時どうしたらいいだろう。不安なTVニュースは視聴率が上がるそうだから、観すぎるとザワザワが増すばかり。

 amazon Prime の映画もいいし、NHK オンデマンドで美しいドキュメンタリーを観るのも心洗われる。でもそうだ、毎日の読書が一番いい! そう気付きました。

 本を読むって、心の内のお掃除みたい。窓を開けてチリやホコリを外へ掃き出し、乱雑に散らかった部屋を、棚に戻すべきものは戻し、要らないものはゴミ袋に詰める。古今東西の偉大な知恵人たちの声が、耳元に聴こえ胸にしみ入ってくると、自分にとって何が大切なことなのか、何をしようとしていたのか、どこへ行こうとしているのか、気付くことができる。

 オルダス・ハクスレーの小説、『島』に出てくる鳥のさえずりは「キヅキナサイ」「イマココデ」だった。今ここで、すっかり忘却していた大切なことや、思いもよらない全く新しい考え方を、本は気付かせてくれる。本にはそんな目に見えない不思議な力があるのだと、いまさらのように感じ入っている最近です。

 昨年の末に観たヴィム・ヴェンダースの映画 'Perfect Days' の主人公、平山の読書も印象的だった。一時に一冊と決めている。古本屋で文庫本を、一時に一冊買う。そして寝る前のひととき、その一冊を大切に読む。役所広司さんのあの、読書をいつくしむ姿が浮かぶと、頭上に静かな星空の広がる思いがする。

 Hiro's Art Class の課題で、今月は書帙を縫います。古風な言葉。「しょちつ」と読みます。節子・クロソフスカ・ド・ローラさん(私がスラスラとこの長い名前を口にすると皆さん驚かれるので、ちょっと得意)の本で知った、本を入れる布袋のこと。ずっと気になっていて、ずっと欲しかった。水彩クラスのメンバー、Tさんは縫い物名人なので、お知恵を借りました。

 実際サンプルを縫って使ってみて、思い違いに気付くことになる。節子さんとバルテュスのように、お部屋が何十何百もあるお城のようなお邸に住んでいるわけではないのだから、はじめは外出時にバッグの中で、本を傷めないために便利だろうと思うくらいだった。それがちょっと違ったんです。この狭いちっちゃな家の中でも、読みかけの本を入れて持ち運んでいる自分に気付いたとき、本への尊敬というものが形になったもの。それが書帙なのだとわかったんです。

 『クレーの日記』も若き日の愛読書だった。ある日パウル・クレーの絵のような、ゴブラン織りのこの布を「発見」。メンバーの人数分調達できたのも幸運でした。





 今日のお昼はコロッケパン。スーパーで三島コロッケを見たら、どう~しても食べたくなって作りました。美味しかった!