2 Jun 2016



買っちゃった。

 物欲はない方。古いものを修理して使うことにムジョーの喜びを感じるタチです。

 この「ムジョーの喜び」という言葉は、庄野潤三先生のお作品の中、ご長女の夏子さんによるうれしさ最上級の表現です。以前私が古い包丁の柄をエポキシパテで直したことをブログに書いたら、旦那さまのK雄さん(作中ではトーサンとして登場)が読んで感心してくださった。そう夏子さんから頂戴したお便りにあったのもまた、勲章級のムジョーの喜び!でありました。

 が、これはもう、久方ぶりにどうしてもどうしても欲しくなってしまった。こればっかりは自分で作れない。なんという贅沢! とうとうストウブのお鍋を手に入れてしまいました!

 うれしかったな、届いたときは。あっちから見、こっちから見、無意味に何べんも蓋を取ったり持ち上げてみたり、移動させてはずっしりした重みを実感し、元に戻しては眺め、あのトリコロールリボンをつまみから外すまでに、軽く30分はかかったと思う。

 去年古くなった大炊飯器を処分し、小炊飯器をしまい、毎日のご飯は陶器のキャセロールで炊いていました。でも小さいキャセロールでは、MAX2合がせいぜい。炊き込みご飯となると、大きな土鍋を出して炊くしかない。しかしどうしてもうまく炊けない。やり方がまずいに違いありません。でも炊き込みご飯ってそうそう炊くものじゃないものだから、一向にコツがつかめないまま日々は過ぎる。とにかく、3合炊きのできる炊飯鍋を、ずっと欲していたんです。

 なのでこの立派なおフランス製にも、迷うことなくまずは日本のお米の炊飯作業からやってもらった。

 果して!これがほんとに美味しかった。喩えて言えば、お米粒が私に向かって一斉に、「こんな風に炊いてくれてありがとさん!」と言っている。こういうのを炊飯器のCMなどでは、「お米が立ってる」とシンプルに言うものだけど、スタンディングオベーションみたいに立ち上がって何か言ってる、とまではなかなか表現しない。でもまさにそういう感じだった。ほんとです。その図。↓




 炊飯に続く挑戦は無水料理。野菜庫のレギュラー野菜、キャベツ、人参、しめじ、それに玉葱、じゃがいもを適当に切って軽く炒め、ワイン代わりの日本酒と、茅乃屋の野菜だし。ベーコンのブロックと一緒にただクツクツ煮ただけで、これまた!

 昨日はがんもと大根と鶏ももの煮物。高齢の家族のためのやわらかおかずにも勝手がよい。蓋をすると、お鍋が防音設備の効いた音楽室になったかのように、中の気配がほとんどなくなるのが、今までのお鍋との決定的な違い。そして蓋を取れば仕上がりは完璧。マジックのようです。

 そうだったのか、ストウブ! しばらく台所のテンション、上がりそう。大事に使います。




 お鍋とは関係なく、昨日の朝はパンが切れていたので、とっさにパンケーキを焼いた。お八つにはマスカポーネと粒あんをはさみ、どら焼きに。焼きは下手でも、美味しくできました。 



 これは IKEA で最近買った台ふきですが、使いやすいし、色が悪目立ちせず汚れも目立たないベージュ色。マイクロファイバーなのに、手にまとわりつく感じが無いのもうれしい。3枚セットで2枚がこれ。あと1枚も同色で、眼鏡やPCのディスプレイ、スマホなどを拭くのに便利なセーム皮みたいにきめ細かい素材でした。そちらは仕事部屋で愛用しています。