22 Jun 2016



満10歳

 6月の HIRO'S ART は、マスキング・メディウムを使ってのレッスン。沼津でも東京でも、とっても好評でした! 今回は東京クラスのE子さんの作品を、代表としてご覧頂きます。鉛筆でドローイングを何べんも練習した成果が線に表れ、色にも歓びが溢れています。

 10年前、2006年7月16日に、第一回のお教室を明日館で催したのが、HIRO'S ART CLASS の始まりです。まずは単発でのスタート。有難いことに思いのほか応援をいただき、翌月の8月にも第二回を開催しました。その後10月から毎月のレギュラーに。

 当初は拙著『イギリス暮らしの雑記帖』でもご紹介したようなハンドクラフトが中心で、イギリスに居た頃に覚えた手作りの小物、たとえばクリスマスのオーナメントとか蜜蝋キャンドル、イースターの卵のデコレーション、手作りのスケッチブックやノート、布と綿で包んだハンガー、ポプリを仕込んだミニクッション。リボンのレターラックの時はDIYの作業があり、金槌の音も賑やかでした。モスを貼り付けて作るクリスマスのミニトピアリーを「毎年飾っています」と先日仰る方がいて、うれしかったです。

 そのうち少しずつコラージュ作品に移行し、水彩も加わってゆきます。2011年春に、グループ展を始めたことも大きなエネルギーとなりました。自分の作品を額装し、見ず知らずのお客さまにご覧いただくことで、メンバーそれぞれの力がぐんぐん、目に見えて伸び始めたからです。その「進化」の様子は、講師の特別なよろこびです。

 2011年と言えば、大震災の年です。会は大成功で、銀座のACギャラリーに300名を超えるお客さまをお招きすることができた、夢のような一週間。その直後に、あの悲劇が日本を襲いました。誰もがぺしゃんこに押しつぶされたあの時期、第3日曜日に明日館に集って皆さんに会えることで、大きな勇気をもらいました。きっとみんなもそうだったと思います。

 第一回からずっと参加してくださっている方、途中からご一緒くださっている方、まだご参加間もない方、しばらくお休みしてまたカムバックしてくれたり、時々ご都合の許すときだけ参加下さる方も、また様々な事情でやめられた方も、今までいったい何人の生徒さんたちに出会い、お世話になってきたことでしょう。興味を持ってくださる皆さんのおかげがあって、こうして好きなお教室ができる。感謝の気持ちでいっぱいです。

 メンバーの皆さんはよくご存知ですが、その時々に直感で方向を決める術しか持たない講師なので、この節目にまたちょっとばかり舵を切っていることがあります。より水彩に重点を置いたコラージュ作品を、ゆっくり丁寧にやってゆこうという気持ちになっているんです。アカデミックな静物画や風景画の水彩以外にも、このちっちゃな色の塊にはいろんな可能性がある。こんなにこんなに愉しめるのよ、と多くの方にお伝えしたい気持ちが、ムクムクと湧いています。

 震災の3月と、途中から設けた8月の夏休み以外、毎月毎月、明日館への道を赤いスーツケースと一緒に歩いてきたこの10年。これから益々面白くなりそうな「直感」。沼津クラスも、早いものでこの秋、節目の丸5年を迎えます。両クラスとも、これからもどうぞどうぞ、よろしくお願いいたします♪ 




日曜の明日館では、クラスの仲間、英国人のベッキーさんが、一時帰国のお土産をくださいました。ヴィンテージの本のページが何枚も、アンティークレースにアンティークリボン、ボタンなどなどが、ご参加の人数分の袋に丁寧にパックされています。そのまま眺めているだけでも幸せなサプライズプレゼントに、皆さん歓声を上げられ拍手が起こりました。ベッキーさん、ありがとう!




 5月の課題を、ご自宅で完成されたOさん。私が資料としてご覧に入れた、ロンドンV&A博物館に所蔵されている古いタイル柄をアイデアソースに、こんな素敵なペーパーバッグが生まれました。元のタイルの100倍チャーミング!