28 Oct 2023

 


絵を描く悦び

〇月✕日

 まだサマータイムのロンドンと、8時間の時差で水彩クラスをしました。生徒さんたちに最近好評の「10分でスケッチ」'10 minutes Sketch' 。今夜は英国とのレッスンだし、私はこのヴィンテージの紅茶缶を描くことに。



 タイマーを10分にセットして、'Ready, steady, go!' 。この10分で、どなたも新しい自分を発見されるのです。

 コロナ後に始めたオンラインのレッスン。最初は手探りだったけれど、すっかり当たり前のこととなりました。それでもいまだに不思議でならない。特に、海外とのレッスンは時差があるから、ふっと我に返ると魔法みたいです。

 もちろん会った方がいいに決まっている。けれど、この新しい方法が、まったく悪いとは思えない。想像力が感受性をカバーしてくれる。綱の長ーいブランコに乗ったみたいに、勢いを持って画面と向き合う。今夜も愉しいひとときでした。


〇月✕日

 待ちに待ったスタイラスペンが届いた。iPadの高性能ペンは2万円もするのだそうですね。これはその約1/10のお値段。それでも感度がよいので、描くのがぐっと楽になりました。夕飯後、同じ紅茶缶を描いてみる。

 結構、気に入った。少しずつ感覚がわかってきたような気がします。



 この「画材」を、ホックニーがするように、ひとつのマテリアルとして使いたい。

 たとえば「水彩風に描く」とか「ペン画風に描く」とか「鉛筆画風に描く」とか「コミック風に描く」のではなく、この画材らしさを生かして描いてみたいです。便利な画材としてではなく、新しい画材として使いたい。だから難しい。そして面白い。


〇月✕日

 先日の韮山の黄金色に染まった田んぼ。お米の美味しい季節ですね。この「ご飯大好き人間」に、Sさんが今年も新米を届けてくださった。一束の稲穂も一緒に。うれしい。お正月のお飾りに使わせて頂きます。

 でもお正月まで待てずに、竹筒に飾って眺めています。



 ご飯はいつも、ストウブ鍋で炊いています。美味しいだけでなく、短時間で炊ける。便利です。



  間引き人参の葉っぱが手に入ったので、ふりかけを作る。めったに見かけないから、幸運に喜ぶ。



 美味しいので、あっと言う間に無くなりました。


〇月✕日


 相変わらず、デジタルスケッチに夢中です。庭のホトトギス。自分なりに、この画材にできることが見えてきたような気がする。

 眼のことを考えたら控えめにすべきと思うのだけど、一日の終わりにコレをやると、気分がすっきりします。

 子どもの頃、熱を出しても、絵を描くと治った。

 好きなように描く事。そうすれば、描くことは自分を解放し健康にしてくれる。でも健康のために描くわけじゃなく、愉しいから、面白いから描くだけです。


〇月✕日

 Hさんに美味しいハーブティーを頂きました。イギリス時代を思い出す山野草、ネトルがブレンドされています。

 この葉っぱは、ちょっとでも触れるとヒリヒリピリピリするような痛みを生じて、実に悩ましい草だった。田舎歩きをするときはもちろん、近くの緑地帯、ウィンブルドン・コモンを歩くときにも気をつけた。罪のない大葉のような形なので、最初は全く警戒できず、何度も泣かされた。

 しかしお茶にすれば美味しく滋養に満ち、私は未体験だが、お料理にも使えるそうです。日本の十薬、ドクダミのような存在だろうか。



 甘くてさっぱりとして、クセになりそう。少しずつカフェインを控えて行こうと思っていたところでした。ありがとう。


20 Oct 2023

 


ヒースの花


〇月✕日

 ホームセンターに、コラージュクラスの素材を探しに行くも、見つからない。少し前まではふんだんにあった木材の端材がない。なぜに?

 気分を切り替え、久し振りに花売り場をじっくり見てまわりました。自分の守護花と勝手に思っている、ヒースを見つける。6株購入し、鉢植えにした。

 ヘザーともいうが、この花を最初に知ったのは小説『嵐が丘』。正確に言えば、エミリー・ブロンテの物語を読む前に、このエキセントリックなストーリーを曲にしたケイト・ブッシュの 'Wuthering Heights' で知ったのだった。ミュージックビデオ全盛の時代。リンゼイ・ケンプに弟子入りしていたケイト・ブッシュの、パントマイムのようなダンスが印象深い。

 ロンドンに暮らし始めた頃は、慣れるまで友人の家に間借りをしていました。友人は花が好きで、秋になるとヘザーの鉢植えを窓の外に飾っていた。白い窓枠と灰色の空に、ピンクの小花がよく映えた。花の無い季節、街のショウウィンドウなどでもよく見かけた。

 可憐なベル型の、日本で言うエリカの仲間。しかしこの「カルーナ / ガーデン・ガールズ」と言う種はより小粒です。それでも、懐かしい思いでいっぱいになる。

 もとは荒れ地に咲くツツジ科の花で、可憐な姿と裏腹に、地面に強く根を張って、ちょっとやそっとでは引き抜けない。秋には野の一面にこのピンクの花が絨毯のように咲く景色がイギリスの風物だけれど、5年も居ながら、残念なことに私はそれを観ていない。その代わりに、アイルランドを旅した時、列車の窓からそこら中にポッ、ポッとかたまって咲くヘザーを見た。荒々しい黒い大地だった。そこにこのピンクの色彩が点在する景色が目に焼き付いています。

「彼(エリック・サティ)は僕らに教えた。真に偉大なものは偉大らしい様子を持ち得ないこと、真に新しいものは新しい様子を持ち得ないこと、真に淡白なものは淡白らしい様子を持ち得ないということを」

   『我が魂の告白』ジャン・コクトー 堀口大学 訳 より



〇月✕日

 友人が親友と一緒に、東京から遊びに来た。

 柿田川公園(国の天然記念物)に行きたいとのリクエスト。地元民はいつでも行けると思って滅多に行かないから、観光気分で久しぶりに愉しみました。澄み切った湧水は、磨きぬいたガラスのよう。富士山の雪解け水が長い年月、地下の溶岩の中をくぐって、三島市やこの清水町の柿田川に湧き出る。



 この写真じゃ、魅力が充分お伝え出来てない。ザンネン。↑は通称「ブルーホール」と言うのだそうです。時間によって、輝きが変化します。

 この地にかつてあった、紡績工場の取水口だったこの穴は、高さ3.5m、直径5m。柿田川公園の人気スポットです。三島もそうですが、私の子どもだった頃は工場排水がひどかった。住民の運動と努力で、今はどちらの街も水の美しさを観ようと、観光客、はとバスまで訪れるほどになった。

 駐車場近くに湧水が汲める場所があったので、次は容器を持ってゆこう。


〇月✕日

 ホックニーのiPad作品に感化されて、私のタブレットはアンドロイドなのですが、「もどき」を愉しんでいます。Sketchbook というアプリケーションを導入してみました。タッチペンもちゃちな物なので、思うように描けない。だがしかし、それもまた面白い。

 たとえば、夜寝る前などに水彩を描く、と言う気にはなかなかなれない。でもこれなら出来ます。

 ホックニーは夜明け、暗い寝室の窓から見える朝焼けを描くという。暗い部屋で絵を描く。それができるのが、この新しい画材のすごいところだと、ホックニーの言葉を読むまで全く気づかなかった。やっぱりホックニーってすごい。



 伊豆の韮山にあるギャラリーnoirさんで、友人たちが参加するソーイングの展覧会が開催され、観に行きました。展覧会も愉しかったが、韮山の平野は、今一面の黄金色。見渡す限り稲刈りを待つ稲穂の波、また波。圧倒される。きっとDNAに刷り込まれている。私たちの原風景と言ってもよいこの景色を、帰宅後夢中で描いてみた。

 半年前にはレンゲ畑にミツバチが飛んでいた。水が張られ、田植えをし、梅雨や厳しい夏を経て、豪雨や台風にも耐えて、こうして私たちの身体を作るお米が今ピカピカ光っている。人が長い年月をかけて築いてきた、自然と食のリズム。歴史もなにもかも、ぜんぶひっくるめて、美しいなぁと思う。

 世界中、どんな民族も、今に至るまで必死に命をつないできた。フランスの社会人類学者で思想家、レヴィ・ストロースが言っていた。

「人間は、いたる所であまりちがいませんでした。人間の愛や憎しみは、どこでも同じようなものです。たとえ人類の歴史から10世紀分を抹消してしまったとしても、人間そのものの理解には、さしたる支障にはならないでしょう。しかしとりかえしのつかない形で失われてしまうもの。それは人間がその間につくり出したであろう、創造物です」

(1993年の覚え書きノートより)

13 Oct 2023

 

ホックニーと読書

〇月✕日

 先月二回も詣でた、東京都現代美術館で開催中のDavid Hockney展は本当によかった。11月5日までの会期中、行けるものならまた行きたいぐらい。

 アートを志して以来、ホックニーはずっと私のヒーローです。画家が86歳になった今もそれは変わらない。60年以上この世界を引っ張ってきたこの巨人は、自分の周囲に目を凝らし、身辺をスケッチし、どこへ出かけるでもなく、「絵を描いていると30代の気分だ」と言いながら、一日中絵を描いて幸せを感じている。

 最近は展覧会のカタログをあまり買わないようにしているのだけれど、しかし、全長90メートルにも及ぶノルマンディーの四季が描かれた大作が網羅されたこの一冊には抵抗できなかった。

 それともう一冊、ミュージアムショップで購入した本が面白くてたまらない。美術評論家のマーティン・ゲイフォードとの269ページにも及ぶ対談集。ゲイフォードとの対話は、You Tubeでも観られる。

 にしても、You Tubeでこんな風に好きな芸術家の話を、まるで最前列でかぶりつくように聴ける時代が来るなんて、想像もしなかった。文字のテロップを出せるものも多い。AIがやっているのか間違いも多いけど、無いよりはずっとましだ。

 そんなわけで、夜寝る前にゲイフォードとの対談集『春はまた巡る』をチビチビ読むのが至福です。(ホックニーは毎晩9時に寝る前に、3時間も読書するらしい)

 それからBBC Sounds (BBC Radio)で検索したら、ホックニーのインタビュー番組が見つかった。いかにも愉快そうに笑いながら話すホックニーの声を、一回じゃ聴き取れないのでくり返し聴いている。愛煙家のホックニーもビタミンL党のようで、笑うことは肺にもいいんだよとかなんとか言いながら、ハッハッハと笑っている。


私のホックニー図書館

〇月✕日

 仕事部屋のことをアトリエとは言わず、イギリス人はスタジオと言うが、私のこの部屋はスタジオ兼ワークルーム。生徒さんたちが見える日はワークルームになる。

 「ワークルーム」という呼び方は、イギリスの友人で刺繍作家、デザイナーのキャロライン・ズーブさんに倣ってみた。キャロラインのワークルームにみんなでおじゃましたのはコロナ前。奥にキッチンがあり、ワークルームが2部屋あった。落ち着いた中にもアーティストの自由な空気が感じられ、創作意欲の湧く素敵な空間だった。

 私のスタジオには長机がふたつある。一つの方は壁に寄せていて、下に大きなかごを三つ、物入れに使っている。書類が主なので重たい。かがんで引っ張り出すのに力がいる。また腰を痛めるのは困る。

 先日MUJIで偶然、小ぶりの台車を見つけた。カゴの下に置いたら大正解。大きなカゴ抽斗になりました。

 ついでに書類の整理もした。一気にシュレッダーを掛けるとなると気が重くなる。仕事と仕事の合間の気分転換にやることにした。単調な退屈仕事を価値あるものにリユースするべく、別室にシュレッダーコーナーを設けた。


〇月✕日

 朝、白い仔猫のお腹のような雲が、ベイビーブルーの空に広がる。



 と喜んだのもつかの間。雨が降り出して、寒い寒い。カーディガンを重ね着し、その上にフリースを羽織ってパソコンに向い、水彩レッスンの今年の課題を10月からまとめてゆくために、2024年のカレンダー、タマ部分を作る作業をした。

 間違いがあってはいけないので、慎重に作業する。月曜始まりを使う方と、日曜始まりを使う方がおられるので、両方作った。

 ついでに自分用のまかないカレンダー(レッスンの予定を書き込みやすくデザインしたホームプリント)のタマ部分もやっつけてひと安心する。


〇月✕日

 友人のKさんが、美味しいお土産を持って来てくれた。雅心苑という和菓子屋さんの名物、「雅心だんご」です。うれしい! 一見、おおぶりのみたらし団子なんだけど、中にたっぷりこし餡が詰まっているのです。と聞くとくどいようですが、そんなことはない。ただ美味しい。おもたせで恐縮です。一緒に頂く。ごちそうさま!



〇月✕日

 昨年のコラージュクラスの課題である、Altered Book (Junk Journal) を、今年ぜひやりたいと仰る生徒さんがお三人新たに参加くださって、通常のレッスンとは別に行っています。お二人はオンライン、お一人はワークルーム。オンラインのお二人のキットをまとめ、発送した。先日手芸店で見つけた、インドの刺繍リボンが素晴らしく、素材に加えた。今月は表紙を制作し、一応の完成。でもいつまで続けてもいい。だから面白い。

 アランの『幸福論』に待歯石と言う言葉が出て来る。

「どんな仕事においても、待歯石のようなものがその仕事をつづけるためのじゅうぶんな根拠となる。それゆえ、前日の仕事のなかに自分自身の意志の刻印を認める人は幸福である」

「刺繍ははじめの幾針かは、あまり楽しくない。しかし進むにつれて、加速度的な力でわたしたちの欲望に働きかける」

「なぜなら、はじめはなんの期待もなしにはじめなければならず、期待は増大や進歩から生ずるものだからである。ほんとうの計画は仕事の上にしか成長しない」

 待歯石というのは、石工の用語で、ひとつの壁の突端から、隣に立てようとしている壁をつなぐため、つき出した石のことを言うそうです。

 久し振りに開いたら、ページから、金色の言葉がこぼれ出る。


〇月✕日

  表紙からいい。教えてもらった少し前に、クレマチスの丘にあったショップで、アーティストの沖潤子さんの作品集『PUNK』を購入していた。その沖さんの作品が使われている。それもまたシンクロニシティでうれしかった。


 悲しいことは誰にだって起こる。そんなときにはきっとこの本が救いになる。共感いただけそうな方に、時々おすすめしている。本日レッスンだった人生の先輩、読書家のMさんに、私も以前教えて頂いた。悲しみに、静かにそっと寄り添ってくれる本です。

 連載エッセイの校正が届く。言いたいことをしっかり届けられていない部分があったので、修正してもらうようお願いする。ほんの一言の違いで、未知の方角から風が一陣吹くように、全体が変わる。

 今日は本当に気持ちの良い穏やかな秋の空気だったので、竹炭を日に干した。しばらくしてひっくり返しに行ったら、ジョン・ケージの音楽のような、ランダムで不思議な音が聞こえる。ピチッ、ピチッ・・・。どの子も微かな音を立てている。乾いてるよ、と教えてくれる。脱臭能力がフッカツし、半永久的に再生できるのだそうです。無口でサステイナブルで働き者の竹炭に感動する。




9 Oct 2023



秋がやってきた
 
 また間が空いてしまいました。このブログ、instagramの手軽さに、すっかり負けています。 

 作家のヴァージニア・ウルフは、「書き残さなければ、無かったも同じ」と言っている。もちろんブログもSNSも無い時代。せっせと日記を綴り、後世に遺した。

 比較にならない小者・・・ちっぽけな私ですが、ウルフのスピリットを思い出し、超・久しぶりにこちらのページを開きました。

 備忘録のような、この1週間の日記です。


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〇月✕日

 NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」が終わってしまいました。今まで朝ドラにはほとんど興味の無かった私なのに、朝の8時を待ち遠しいとさえ思った。この不安な時代の人々に、真の勇気を与えてくれるドラマでした。明るくて、悲しくて、勇敢で、切なくて、どの登場人物も愛おしい、「愛に満ちちゅう」物語でした。

 原作と脚本の長田育恵さんの才能、俳優の名演、演出の妙、制作者、スタッフ全ての細やかさ、音楽のバリエーション、次に何を見せてもらえるんだろう。毎朝ドキドキし、ワクワクしました。

 わたし的にはまだ終わらせたくない思いでいっぱいなため、しつっこいなぁ・・・ですが、オンデマンドで第一回からもう一度見直しているところです。一度目には気付かなかったこともある。なので、ロス感すっかり克服です。




 「らんまん」の最後の方で、竹男と綾が沼津の酒蔵を手に入れ、藤丸とともに移り住む、という展開があったのもうれしかった。沼津の原と言う場所にある「高嶋酒造」のお酒は美味しい。ですが、このラベルは知りませんでした。初めて入ったスーパーで偶然見つけました。レトロで桜のトリミングがまさに「らんまん」なデザイン。シンクロニシティに小躍りしました♪


〇月✕日

 10月のコラージュクラスのためのサンプルを作る。毎回企画は私の思い付き。以前、カルチャースクール的なところで講師を・・・とお話を頂いたこともあるのですが、カリキュラムをきちんと組んでいては、私の「気まぐれ力」はなかなか出せないと思い(なんて尊大な!)、今のこの形が気に入っています。生徒さんたちはこんな私を信じてくれて、毎回面白がってくださる。いつも皆さんの冒険心に支えられています。

 今月は大好きな陶芸家、ルーシー・リーのオマージュで、粘土細工をすることにしました。未知の素材を扱う時は「賭け」ですが、外れることはあまりない。今回も面白いサンプルが生まれました。生徒さんたちの方がこのサンプルより、ずっと上出来なものを作られるに違いない、という予感大です。



〇月✕日

 10月のコラージュクラス、材料が次々到着する。近所で調達できそうなものは、買いに行く。無事そろったので、袋に詰めた。開けた瞬間「わー!」と感じてくれたらいいなと願いながら詰めてゆきます。毎月がサンタクロース。Zoomレッスンの方たちへは、レターパックにパッキング。


〇月✕日

 郵便局でキットを発送してから、年に一度の特定検診へ。しかし病院って、なぜこんなにも疲れるのでしょう。

 帰宅後少し休んでから、亥子(いのこ)の先輩、N子さんがお電話をくださったのでかけ直す。涙が出るほど面白いお話をいくつも聞かせてくださる。疲労がみるみる消えてゆく。希望が湧いてくる。節目節目で、いままでどれだけ助けて頂いたことか。電話を切ったあとは決まって清々しく、身体がポカポカし、生き返ったようになる。ありがたい思いでいっぱいになる。

 BBCの記事で読んだ。先日亡くなったイギリスのあるコメディ俳優の言葉。「『ビタミンL』は大事だよ」。'L' は’Laughing’ の’L’ 。賛成!


〇月✕日

 日本ヴォーグ社の雑誌「私の花生活」巻頭のエッセイを書く。夕方までかかっても、推敲の余地だらけの原稿しか書けない。何を言いたいのか、芯が見えてこない。ある作家のある言葉を紹介したい。でも説明しても仕方ない。こういうときは無理をしないで、明日の朝に任せたほうがよい。

 夜は、Aさんに頂いた冬瓜で煮びたしを作った。これが美味しかった。有元葉子さんレシピを参考に、プチトマトとオクラを合せる。有元さんの創られるお料理には独特なテクスチャーと色彩があるように思う。絵を描くようなセンスに、ハッとさせられます。



〇月✕日

 昨日の続き。気持ちも新たに原稿を書き上げ、送信。編集長のAさんは、いつも明るく弾むような元気をお持ちの方。メールの返事も驚くほど速い。そして短くスパッとわかりやすい。仕事ができる方の習慣。少しでも見倣いたいもの。