30 Jun 2016



7月のお知らせ

 7月9日(土)から、銀座のACギャラリーにて開催の「ACリニューアル10周年記念 ジュエリーとBOX展」に参加させて頂きます。制作の追込みに気を取られ、お知らせが遅くなり、申しわけありません! よろしければ、ぜひ観にいらして下さい。
 
 カワダはBOXで参加。ミニミニな紙箱を、イギリスの古い本のページや手紙を使ってせっせとこしらえているところです。また会期前に少しここでご覧頂けるようにいたしますね。

 詳しくはACギャラリーのサイトをご覧ください。初日の夕方4時頃には、私も会場にいる予定です。お目にかかれましたらうれしいです。(近々このブログのeventページにもUPいたします。)

 なお、現在、マーチエキュート神田万世橋イベントスペース「佇マイ」にて、ACギャラリーによる企画で開催中の「クラフト女子」に、我らが HIRO'S ART CLASS メンバー、渥美順子さんが参加しています。会期は7月3日(日)まで。きっと愉しいイベントだと思います。よろしかったらぜひお出掛けください。詳しくはこちらから。

 いつもお世話になっているACギャラリー。クラスのグループ展が渥美さんの更なる活躍につながり、講師としてこんなうれしいことはありません。




 さてその HAC 7月のレッスンでは、先月に続きマスキングメディウムを使って、ルーズな水彩を試みます。

 ルーズな絵で思い出したのが、上の案内状の作品。3年前の個展のもので、風景画を試みたのはこの時が初めてでした。これからも描いてゆきたいテーマです。

 レッスンでは風景をという訳ではなく、マスキングを使ってのびのびと色で遊んでいただきます。にじみやぼかしを思い切って大胆に使ってみましょう。もっと明るい作品をサンプルとして用意しますので、ご安心くださいね。

 毎月、前月末をお申込みの締め切りとさせて頂いています。ご参加を希望されてお申込みがまだの方は、本日中のご連絡をお待ちしています。

(参加メンバーへの確認メール、およびHPの「7月の黒板」更新は、7月5日ごろの予定です。)

26 Jun 2016



私のバラ

 梅雨の晴れ間の陽ざしを浴びながら、鉢植えのバラがやっと咲き始めた。風雨の強い日は、軒下に避難。この家の庭は星の王子さまの小さな星ほどのサイズだし、風通しがよくないので、華やかに咲き誇るという風にはなかなかゆかないけれど、大事なこの花は頂いた苗から挿し木で増やした6鉢の Just Joey。生長に貪欲なのもいれば、のんびり静かなのもいるのは、人間と同じです。

  


 イギリスの国民投票のことで気が揉めていたら、昨夜ロンドンの友人からネットの署名を促す拡散メールが、私にも届いた。投票率75%以上、賛成60%以上というハードルをクリアしていないなら、再度国民投票をすべきであると政府に請願しようという内容のようで(興味のある方はこちらから)、昨夜の時点で150万人を超え、今見たら、300万人を超えている。人口が6,318万人なので、赤ちゃんや高齢者も含めた100人中の約5人が署名していることになる。'Leave' に投票した人の中で、すでに後悔している人もいるであろうことを見越しての試み。どこまで増えるだろう。キャメロン首相は2度目の国民投票はしないと明言しているし、私の友人も難しい訴えであることは承知している。それでも大きなメッセージにはなるだろうと、必死な気持ちが伝わってくる。

(この署名運動について訂正あり。文末の追記をご覧ください。)

 私にはイギリスと言う国が、日本に比べ移民に寛大だというイメージがあります。大英帝国の名残もあろうし、その時々の事情で在留資格の審査が厳しかったりゆるかったりはする・・・にしても。ロンドンの地下鉄に乗ると、いったいこの車両に元々のイギリス人は何人いるんだろう。もしかしたら一人もいないかも、とよく思ったのを思い出す。仕事先でも、アートクラスの教室でも、また友人のパーティーに呼ばれても、あらゆる文化と歴史を背負った人々に出会ってきた。世界の地理の教科書を見るような、バラエティ豊かなコスモポリス、ロンドン。こんなに異文化が集まっても、なんとかバランスを保って見事に成り立っているばかりか、その混沌から常に新しい何かを生み出す力があることに、驚きと敬意を感じている。でも一方で、中央と地方では移民についての意識の差が大きいという話も、耳にはしていた。

 私はイギリスとイギリスの古今の文化、それを生んだあの国の人たちが大好きで、第二の故郷とまで思っているから、イギリスが自ら持つ絶妙なバランス能力と知恵で、この難関を乗り切ってくれるよう祈ります。と同時に、この地球上のあらゆる地域、大国でさえも例外なく似たようなことが起こっていて、そのことの本質はいったい何なのかを先陣を切って見極め、政治家が無理なら、芸術家がメッセージを発信して行くことを願う。私自身も様々に考えながら、毎日のニュースを注意深く聴いてゆきたいです。




 イギリスの花はバラ。メールを送ってくれた友人、Miriam の絵の傍らに。

 
 追記: 上記の署名運動ですが、ガーディアン紙のウェブニュースによると、イギリス国外の人からの署名がだいぶ紛れ込んでいるようで、しかも国民投票前、Remain派が優勢との報道に危機感を持った Leave派の支持者が始めた試みなのだとか。なんとも皮肉な現象とあります。混乱はまだ続きそうです。


22 Jun 2016



満10歳

 6月の HIRO'S ART は、マスキング・メディウムを使ってのレッスン。沼津でも東京でも、とっても好評でした! 今回は東京クラスのE子さんの作品を、代表としてご覧頂きます。鉛筆でドローイングを何べんも練習した成果が線に表れ、色にも歓びが溢れています。

 10年前、2006年7月16日に、第一回のお教室を明日館で催したのが、HIRO'S ART CLASS の始まりです。まずは単発でのスタート。有難いことに思いのほか応援をいただき、翌月の8月にも第二回を開催しました。その後10月から毎月のレギュラーに。

 当初は拙著『イギリス暮らしの雑記帖』でもご紹介したようなハンドクラフトが中心で、イギリスに居た頃に覚えた手作りの小物、たとえばクリスマスのオーナメントとか蜜蝋キャンドル、イースターの卵のデコレーション、手作りのスケッチブックやノート、布と綿で包んだハンガー、ポプリを仕込んだミニクッション。リボンのレターラックの時はDIYの作業があり、金槌の音も賑やかでした。モスを貼り付けて作るクリスマスのミニトピアリーを「毎年飾っています」と先日仰る方がいて、うれしかったです。

 そのうち少しずつコラージュ作品に移行し、水彩も加わってゆきます。2011年春に、グループ展を始めたことも大きなエネルギーとなりました。自分の作品を額装し、見ず知らずのお客さまにご覧いただくことで、メンバーそれぞれの力がぐんぐん、目に見えて伸び始めたからです。その「進化」の様子は、講師の特別なよろこびです。

 2011年と言えば、大震災の年です。会は大成功で、銀座のACギャラリーに300名を超えるお客さまをお招きすることができた、夢のような一週間。その直後に、あの悲劇が日本を襲いました。誰もがぺしゃんこに押しつぶされたあの時期、第3日曜日に明日館に集って皆さんに会えることで、大きな勇気をもらいました。きっとみんなもそうだったと思います。

 第一回からずっと参加してくださっている方、途中からご一緒くださっている方、まだご参加間もない方、しばらくお休みしてまたカムバックしてくれたり、時々ご都合の許すときだけ参加下さる方も、また様々な事情でやめられた方も、今までいったい何人の生徒さんたちに出会い、お世話になってきたことでしょう。興味を持ってくださる皆さんのおかげがあって、こうして好きなお教室ができる。感謝の気持ちでいっぱいです。

 メンバーの皆さんはよくご存知ですが、その時々に直感で方向を決める術しか持たない講師なので、この節目にまたちょっとばかり舵を切っていることがあります。より水彩に重点を置いたコラージュ作品を、ゆっくり丁寧にやってゆこうという気持ちになっているんです。アカデミックな静物画や風景画の水彩以外にも、このちっちゃな色の塊にはいろんな可能性がある。こんなにこんなに愉しめるのよ、と多くの方にお伝えしたい気持ちが、ムクムクと湧いています。

 震災の3月と、途中から設けた8月の夏休み以外、毎月毎月、明日館への道を赤いスーツケースと一緒に歩いてきたこの10年。これから益々面白くなりそうな「直感」。沼津クラスも、早いものでこの秋、節目の丸5年を迎えます。両クラスとも、これからもどうぞどうぞ、よろしくお願いいたします♪ 




日曜の明日館では、クラスの仲間、英国人のベッキーさんが、一時帰国のお土産をくださいました。ヴィンテージの本のページが何枚も、アンティークレースにアンティークリボン、ボタンなどなどが、ご参加の人数分の袋に丁寧にパックされています。そのまま眺めているだけでも幸せなサプライズプレゼントに、皆さん歓声を上げられ拍手が起こりました。ベッキーさん、ありがとう!




 5月の課題を、ご自宅で完成されたOさん。私が資料としてご覧に入れた、ロンドンV&A博物館に所蔵されている古いタイル柄をアイデアソースに、こんな素敵なペーパーバッグが生まれました。元のタイルの100倍チャーミング! 


18 Jun 2016



6月のレッスン

 今月から、予告通りに水彩を中心にやってゆきたいと思っています。初心者が無条件に愉しめる方法を毎回提供できるよう、頭をひねってまいります。また少し経験を積んだ方からは、いろいろ質問もお受けしたいです。

 水彩は一生愉しめるし、絵の具と画材もシンプルだし、場所を取らないし、物をため込まなくて済むし、思い立った時にパッとできるのがいい。家の中でも外でもできますし。

 ただ、お手本通りにすぐ満足いく結果が出せるものとは少し違う。上達には、とにかく日々ちょっとでも描くことしかありません。でも身についた技術の芯のようなものは、自転車の運転のように、一生消えることはない。

 また絵を描きだすと、ものを観ることが面白くなる。先日のレッスンで、エアデッサンをおススメしました。エアギターと言うのがありますね。あれのように、鉛筆も紙もなしに、ただ空に指先で描くのです。もちろん指揮者がタクトを振るようにやっては、昔ホームで男性がよくやっていたエアゴルフ(?)と同じになっちゃいますから、目立たぬよう指先だけでちゃちゃっとやる。

 デッサンは、ものを観る練習です。エアなら街を歩きながらでも、電車の中でも、いつでもできます。この世界にある、バラエティに富んだ様々な形を観察する習慣が、自然に身につくのではと思うのです。

 明日は東京、明日館レッスン。今月はポストカードを作ります。自分が描いた光(芸術作品ってすべて光だと思う)の宿った絵葉書を、じっくり作ってみましょうね。




 HIRO'S ART CLASS はいつからでもご参加できます。河田ヒロ ウェブサイト の LESSON ページより、お気軽にお問い合わせください。


13 Jun 2016




昇太(さん)

 最近うれしかったことのひとつに、ご存知、この人がTVの「笑点」大喜利の司会になった!ということがあります。TVはあんまり観ないのだけど、これを知ったとき、ヨシ、これからの笑点はできるだけ観なくっちゃ、と心ヒソカに誓いました。 

 大の落語好きが高じ、ファミリー一丸となって毎年大きな落語会を企画して、大勢の市民を愉しませている友人がいる。彼らに連れられて、春風亭昇太の落語に夢中になっていた時期がありました。

 昇太は同年生まれだし、静岡県旧・清水市の出身で、まず親近感がある。駆け出しの頃、たぶん柳昇師匠に弟子入り後、間もなくの頃でしょうか。静岡のローカル局でチョイ役(って言わないかな)のリポーターなどをやっていた。私だけが思っていたことかもしれないけれど、地方局の当たり障りのないのんびりした雰囲気の中、妙にハイテンションで、すごく一生懸命な感じが痛々しいほど浮いていた。昇太が出てくると、昇太にしか目や耳、心が向かわなくなり、昇太を中心に宇宙が回転しだして周囲が銀河の彼方に遠のいてゆく~みたいな感じだった。それこそが才能の前夜祭だったのですね。

 その通り、日本に久し振りに帰ってきたら、昇太はぐんとメジャーになっていた。噺家さんなんだから当たり前なのですが、落語がまた面白いと言うんで、さっき書いた友人が誘ってくれたんです。それがきっかけで、昇太と同じく干支が「猪突」の私、すぐに夢中になりました。出不精ながら4回ぐらいは聴きに行ったかと思います。

 一度は下北沢の本多劇場。さも当たり前のような顔で、昇太は客席から登場。例の、帽子をかぶった、まるでスカバンドのメンバーみたいな格好にボストンバッグ。

 ステージに上がると、何かブツブツしゃべりながら、着ているものを手際よく脱ぎ始める。ボストンバッグから商売衣装の着物が出てきた。ステージ上で着替えはじめたのです。ご安心ください、ストリップのようなことではなかった。へー、面白いことをしてくれると、益々ファンになりました。

 肝心の落語については笑うだけで、なんの知識も記憶力もなく、語るすべなしの私ですが、その頃は新作落語が主だったような気がします。その後、「古典も面白い」と友人に聞いた記憶がある。「ほぼ日」とも何かやっていたでしょうか。きっと腕をぐんぐん磨かれて今に至り、大抜擢となったのでしょう。とにかく、親類が何かの賞をもらったようにうれしい。

 その笑点、第一回目はアガるそぶりさえなく、昨日は大喜利の前のお笑いのコーナーで、サンドウィッチマンと掛け合うコントでも笑わせてくれた。(私服のジーンズの革のひざ当てがおしゃれでした。)



 写真の『楽に生きるのも、楽じゃない』は、昇太に夢中の頃に購入した文庫本。めちゃくちゃ面白いです。アマゾンで見たらもう絶版なのですが、ユーズドでも買う価値大と思う。なんだか体調いまいちだな~と感じたら、どこからでも読めば、ドリンクや水素水や、ビタミン剤やカルシウムより、ずっと安価ですむ。おススメです。

 と、ここまで書いてアマゾンをチェックして、腰を抜かしそうになりました。先々週見た時には1円だったユーズドが、なんと6,543円に!!! ゼンゼン安価じゃない。細かい円刻みの意味もワカラナイ。しかも1点しかないし。TVの力、おそるべしです。
 

6 Jun 2016



感謝

 絵を描くことについての、なにかとても好い夢を見たような気がします。昨日の思い出が、ご参加の皆さまの胸にどんな風に残っているだろう。今朝、いつになく心軽やかに目覚めながら、そう思いました。




 まず我がクラスの10周年記念のこの企画に、お忙しい中快く応えてくださった青木和子さんにお礼を申し上げたいです。このお花と花瓶は、青木さんが自らお持ちくださったもの。朝、ご自宅のお庭を一巡りして、摘んできてださったのです。その見事な配色、ボリューム、バランスには、ただただため息。

 元・ホビーラホビーレの瀧川宰子さんは、青木さんのご紹介で出会えた方で、さすが長年のお付き合いだけあり、そのお花を手際よく素適なアレンジに仕上げてくださった。三角天井に丸い灯りの大教室タリアセンが、一層の心潤う場所となりました。

 紺野さん、柿沼さんもありがとう。お三人のテキパキしたサポートのおかげで、カワダのオーガナイズ能力の低さをカバーして頂き、心底有難かったです。明日館スタッフの藤岡さんには毎月たいへんお世話になっていますが、今回初の試みとあり、いつも以上に温かいご協力を得ました。ありがとうございました。

 そしてそして、ご参加の皆さま! 本当に本当にありがとうございました。愉しんで頂けましたでしょうか。

 さっそく何人かの方々から、ポジティブなご感想を頂いて、よろこんでいます。メモを取りながら一生懸命聞いてくださっている様子、キラキラした瞳にこちらも励まされ、物を創ることに向かう気持ちや生活について、様々に青木さんに伺うことができました。勉強になり、刺激を頂き、頭の中がクリアになって、昨日までより周囲をゆったり見渡せるような思いが今、生まれています。

 青木さんを思う時浮かぶ言葉に「エレガンス」があります。昨日語られた「洗練」に通じる。簡潔に、簡素に、制限すること、条件を設けること、小さなことから、またよく知っていることから、新しい気持ちで始めてみましょう。

 創作することを日々の中心に据えた、潔い選択。温かいお心に貴重なお話とよき時間を、そして惜しみない脱線(!)も、青木さん、本当にありがとうございました。

4 Jun 2016



トークイベント

 毎年一月のとある日、愉しみなレイディーズ・ミーティングがあります。青木さんともうお二人、普段は遠くてなかなか会えないレイディーもやってきてのランチ会。そのとき、小さなプレゼントを交換するのがなんとはなしに恒例となり、早何年でしょう? 

 上の写真は青木さんから頂いたプレゼントから。お親しくされている井上由季子さん主宰、モーネ工房の作品たちと伺っています。いいでしょう? 白クマくんは、毎日の食事の際に愛用。箸置きです。控えめで、でも存在感があって、しかも可愛いコたち。ピンクッションはまだもったいなくて、このままオブジェとして飾っています。

 そして明日は遠足!みたいに愉しみな日。青木和子さんとのトークイベント。とうとう前日となりました。

 一昨年、明日館で雑誌の対談をさせて頂いたときも、先日の丸の内、Cafe1894 での打ち合わせでも、物を創ることについてとめどなくお話ができ、とてもとても面白かった。明日はこの面白さを朝採り野菜みたいにフレッシュなまま、ご参加の皆さまにお伝えできる貴重な機会です。

 ご本にスウェーデンでの留学中も、教室でお茶の時間は大切だったとあるように、明日は青木さんのご提案で、お茶を頂きながら歓談する時間も設けました。そのために、それぞれご愛用のカップを持って来て頂くことになっています。

 マイカップを、というのは私のアイデア。ロンドンでアート・カレッジのお教室に通っていた時そうでしたし、実は沼津のクラスでもそうしているんです。

 ロンドンでは教室にお湯だけが用意されていて、それぞれティーバッグで好きな飲み物を飲んでいました。私はいつも、ハーブティーを持っていった。荷物になるなんて思わなかった。机の上に自分のカップがあるのは、いいものです。

 紙コップは便利です。でも面白くない。便利でないことの面白さ。明日はそんなお話も伺えるでしょうか。とても愉しみです。
 

2 Jun 2016



買っちゃった。

 物欲はない方。古いものを修理して使うことにムジョーの喜びを感じるタチです。

 この「ムジョーの喜び」という言葉は、庄野潤三先生のお作品の中、ご長女の夏子さんによるうれしさ最上級の表現です。以前私が古い包丁の柄をエポキシパテで直したことをブログに書いたら、旦那さまのK雄さん(作中ではトーサンとして登場)が読んで感心してくださった。そう夏子さんから頂戴したお便りにあったのもまた、勲章級のムジョーの喜び!でありました。

 が、これはもう、久方ぶりにどうしてもどうしても欲しくなってしまった。こればっかりは自分で作れない。なんという贅沢! とうとうストウブのお鍋を手に入れてしまいました!

 うれしかったな、届いたときは。あっちから見、こっちから見、無意味に何べんも蓋を取ったり持ち上げてみたり、移動させてはずっしりした重みを実感し、元に戻しては眺め、あのトリコロールリボンをつまみから外すまでに、軽く30分はかかったと思う。

 去年古くなった大炊飯器を処分し、小炊飯器をしまい、毎日のご飯は陶器のキャセロールで炊いていました。でも小さいキャセロールでは、MAX2合がせいぜい。炊き込みご飯となると、大きな土鍋を出して炊くしかない。しかしどうしてもうまく炊けない。やり方がまずいに違いありません。でも炊き込みご飯ってそうそう炊くものじゃないものだから、一向にコツがつかめないまま日々は過ぎる。とにかく、3合炊きのできる炊飯鍋を、ずっと欲していたんです。

 なのでこの立派なおフランス製にも、迷うことなくまずは日本のお米の炊飯作業からやってもらった。

 果して!これがほんとに美味しかった。喩えて言えば、お米粒が私に向かって一斉に、「こんな風に炊いてくれてありがとさん!」と言っている。こういうのを炊飯器のCMなどでは、「お米が立ってる」とシンプルに言うものだけど、スタンディングオベーションみたいに立ち上がって何か言ってる、とまではなかなか表現しない。でもまさにそういう感じだった。ほんとです。その図。↓




 炊飯に続く挑戦は無水料理。野菜庫のレギュラー野菜、キャベツ、人参、しめじ、それに玉葱、じゃがいもを適当に切って軽く炒め、ワイン代わりの日本酒と、茅乃屋の野菜だし。ベーコンのブロックと一緒にただクツクツ煮ただけで、これまた!

 昨日はがんもと大根と鶏ももの煮物。高齢の家族のためのやわらかおかずにも勝手がよい。蓋をすると、お鍋が防音設備の効いた音楽室になったかのように、中の気配がほとんどなくなるのが、今までのお鍋との決定的な違い。そして蓋を取れば仕上がりは完璧。マジックのようです。

 そうだったのか、ストウブ! しばらく台所のテンション、上がりそう。大事に使います。




 お鍋とは関係なく、昨日の朝はパンが切れていたので、とっさにパンケーキを焼いた。お八つにはマスカポーネと粒あんをはさみ、どら焼きに。焼きは下手でも、美味しくできました。 



 これは IKEA で最近買った台ふきですが、使いやすいし、色が悪目立ちせず汚れも目立たないベージュ色。マイクロファイバーなのに、手にまとわりつく感じが無いのもうれしい。3枚セットで2枚がこれ。あと1枚も同色で、眼鏡やPCのディスプレイ、スマホなどを拭くのに便利なセーム皮みたいにきめ細かい素材でした。そちらは仕事部屋で愛用しています。