22 May 2016




中島京子さんの新刊

 4月にお贈り頂いた『彼女に関する十二章』。すぐに読み始め、途中ちょっと色々あったからお休みして、また読んで、途中のお休みを抜かし延べ日数にしたら、あっという間に完読。これはいつもちびちび読みの私にしたらとても珍しいこと。大きな車輪の自転車を、5月の風を浴びてぐいぐいこぐように、気持ちよく拝読しました。

 冒頭から面白い。誰とは言いませんが、最近毎日の話題をさらっている某氏、・・・を思わせるヒトが出てきたりする。

 京子さんの書かれるものの多くに登場する、シットコム的笑いや風刺のひと匙ふた匙(時にはみ匙)が、私はとても好きなのです。この物語にも全編にそのスパイスが効いていて、読み終えた時、まるで愉快な列車旅の終着駅に、えー、もう着いちゃったのー、みたい。清々しいけどちょっと寂しくなったりする。

 主人公の「彼女」は私よりちょっと若い、京子さん世代の一般女性。よかったらぜひ手に取ってください。アマゾンへはこちらから。


 追伸: 某氏の今のあの話題は、書かれた頃には知られていなかった、にもかかわらず、この本の内容の大事な縦糸の一筋にガッチリ符合しているように思えて、さすが作家はすごいことをなさる。ブラボー、京子さん!