8 Apr 2016


時を経て

 修善寺の旭滝のことは、以前友人に連れて行ってもらって知りました。前のブログに去年の初夏の頃だったかそのことを書いたので、覚えている方もいるかもしれません。

 崖がまるで石を積み上げたような不思議な地形になっている。六角柱を寝かせて組んで、断面をこっちに見せているような崖。周囲の自然を大きく壊すことなく、滝を見上げるあたりがさっぱりと整えられていて、すぐ近くまで車で入れるわりに人もいない。マイナスイオンがニュートリノになって身体を通過してくれそうにたっぷり感じられ、パワースポットとはこういう場所のことかしらと思った。


 






 先日父の所用で修善寺に行くことになった時、再び寄りたいと調べたら、なんと、訪問先のお寺のすぐ隣でびっくりしました。滝もお寺も古い。だからただ偶然に隣・・・と言う訳がない。

 この滝のある場所には、その昔、伊豆でただ一つの虚無僧のお寺(普化宗寺院、瀧源寺)が、明治初年に廃宗になるまであったそうで、そのお寺の本尊であった平安期の木彫仏二体が、今は金龍院に安置されている。

 金龍院のご住職が父の友人で、こどもの頃私も連れられて一度来たことがあったけれど、その頃はただ「お寺」というだけで、何も見えていなかった。それから半世紀近くが経ち、目に映るものすべてが興味深い。




 金龍院は、北条早雲の三男、北条幻庵が開いた400年もの歴史を持つお寺、ということも今回初めて知った。境内も本堂も、裏の墓地に咲く満開の桜や珍しい菊咲きのヒメコブシ、そこから東に望むパノラマのような山の斜面は今まさに「山笑う」で、なにもかもが沁みました。もちろん、平安仏、十一面観音菩薩立像と不動明王坐像も拝ませて頂いた。

 去年の友人の案内に感謝。普段着の気さくなご住職のお話に感謝。長い時を経てこんな時間を持てたことに感謝。そして目下デジカメにはまっております、我が父に感謝です。