時を超えるカフェ
5月のはじめの澄んだ空気。皆さま、いかがお過ごしでしょう。
小鳥の声や鯉のぼりはためく青い空・・・とはかけ離れた写真で失礼します。4月に、なぜか2度も神保町散策をしたときのことを書きたくて。1回目はあまり時間が無かったので、2回目は詳しい友人に面白いお店などを訊いて、すこしゆっくり歩きました。
その中のひとつ、これは「ラドリオ」という歴史あるカフェ。夜はバーになるらしい。地図を片手にたどり着いた時の衝撃と言ったら! 実はこのほかにもいくつか聞いたお店が同じくこの迫力で、外国の街へ来たような、いえ、不思議の国に迷い込んだような。
外から薄暗い店内に恐る恐る目を凝らすと、なんと満席の様子。ランチを目当てにか、お勤めの人たちが、次々ブラックホールに吸い込まれるように入っていきます。
気になって仕方なく、午後1時を回って再び行ってみる。空席が少しあった。意を決して入店。古いソファ椅子に腰を下ろす。・・・あれ、居心地がいい。なんだか「守られてる感」がいっぱいです。さっきまでの不安がウソのよう。ダニエル・ヴィダル的フレンチポップスが、囀るように流れている。鳥の巣にいるような(いたことないですけど)温かさを感じる。
ナポリタンを頼みました。タバスコにクラフトのパルメザン、懐かしいですね。写真のトリミングで切れちゃったけど、ぽってりしたマグにスープも付いた、見た目を裏切らない、まさに昭和の喫茶店のお味。
しかし食後に出てきたウィンナコーヒーは美味しかった。あとで調べるとこのお店、ウィンナコーヒー発祥の地!なのだそうです。パンなのかパックなのか、はたまたミノタウロス? シンボルマークの描かれたカップのデザインにも、歴史と誇りを感じます。