14 Mar 2017



シュープリーズ

 私としたことが、こんなに長くブログを書かずにいたのは、初めてかもしれません。Instagram があるからかもですが、本当はもっとこちらにも書きたいことがあったのでした。

 青空と梅の花が、ゴッホが描いたアーモンドの花の絵のようだったこと。朝の散歩で小さなホトケノザの縁に、びっしり付いた霜がきれいだったこと。クロッカスの花が咲いたこと。フキノトウを今年は採り忘れたこと。Yさんから絶品の「な海苔」を頂いてご飯がすすんだこと。などなど。でも時間がなかった。銀座のグループ展の準備と時を同じくして、例によって家族の用事、例によって自分もアレコレ、例によってスケジュールが許容範囲をかなり超えていました。

 だから、無事に会期を終えられたこと、しかも作品がお客さまに好評で、今まで以上に手ごたえのある会期を送れたことが、本当にうれしい。最終日の翌朝の目覚めのよかったこと!


 これは、いつも得意料理を披露してくださる、Mさんのセンス一杯、オープニングのテーブルです。実はACギャラリーが今までより若干コンパクトになったので、メンバーだけでスペースが満員になることが予想され、今年は内輪のパーティとさせていただきました。御覧の通りの超・ご馳走で、ハッピーにスタートを切ったのは先週の日曜でした。


 シュープリーズと呼ばれる、パンの中にサンドイッチがぎっしり詰まったパンがあります。上の写真のラウンド型、おしゃれなブルーのリボンが結ばれているのがそれです。見た目はもちろん、4種類の中身も素晴らしく美味しいサンドイッチでした。

 その外側の容器のパンを頂いて参りました。残りのチーズがまた! 蜂蜜をかけて、胡椒をガリガリやって、毎朝こんな贅沢な朝ごはんを食べて、一日おきにギャラリーに出掛けました。

 今回の私は放任主義のお母さんのよう。メンバーの皆さんにほとんどお任せで制作していただいた。行き詰ったり迷ったりしたときには、軽く塩コショウ、くらいのアドバイスをさせてはもらったけれど、ほんとにちょっとだけ。その結果、素晴らしくそれぞれの「らしさ」が表れた力作が揃ったと思います。ありがたいことに、多くのお客さまから勇気をもらう言葉を頂き、今回で5回目のグループ展ですが、そして毎回思うことなのですが、今までで最高の会になりました。

 ご来廊下さった皆さま、本当にありがとうございました。ご覧いただくことによって、また次に進むことができます。


 そしてのんびりする間もなく、3月のレッスンがもう今週。会期中の午前に素材集めをして、さっきやっとサンプルと作り方の方向が↑のように決まりました。間に合ってよかった! いつにも増して、スリリングなタイミングです。

 今回はグループ展が重なって、とはいえ、そんなにスリルを味合わなくても済むように、ひと月ふた月前に準備をしたら、とお思いの方もいらっしゃるかと思います。しかしそれがどうしてもできない。その訳はこの私の「作りたい」気持ち。これに湯気が出ているうちに皆さんにお伝えしたいという、わがままな思いからです。多岐に渡る素材をレッスン時に人数分集められるか、という実際的な理由もあるにはあるけれど、それよりもやっぱり「作りたい」自分の熱が、一か月の間に冷めてしまうのを好まないのですね。

 同じ理由で、一度やった課題は基本的に繰り返さない。自分の中で終わってしまったものの面白さを、100%人に伝えることは難しいから。

 こんな私のわがままを許してくださり、毎回レッスン冒頭、出来立てホヤホヤのサンプル(時には未完成)に歓声を上げてくださる冒険好きの生徒さんたちに、心から感謝しています。きっとびっくり箱を開けるような気持ちで、レッスンにいらしてくださっているのだと思います。そんな皆さんのためにも、次回はもっと愉しい課題を!と思えば、また新しいアイデアが生まれてきます。

 びっくり箱と、シュープリーズ(=Surprise=ビックリパン)。話の辻褄が合った(?)ところで、今日はこのへんにて・・・。