7 Nov 2021

 



星に願いを Part 1

 クリスマスが前倒しで来ちゃって、この先寂しい~12月が待っているんじゃないかと不安になるほど(?)、贈り物を頂く機会が続きました。

 頂き物自慢はいかにも無粋、そして品がないとは思うのですが、人に見せずにはいられない。そんな頂き物もあります。

 


 これは今まで3冊、一年に一度イギリスで発行されている雑誌なんですが、内容がとにかく素晴らしい。長年お世話になった Country Living 誌の別冊。Vintage に特化したインテリアや小物の美しい写真、芸術的ヒントなどが、こぼれんばかりにいっぱい詰まっている。

 残念なことに、私の知る限り、日本では手に入らない。一昨年の号は友人のベッキーさんから、今年の号はキャリーから、そしてキャリーに頼んだものの売り切れて買えなかったわ~、ゴメンナサイと連絡のあった去年の号を、先日心優しいヘレンさんからもらって、3号がそろいました。ありがとう、親愛なる UK Ladies よ!

 instagramでも、ヴィンテージやブロカントの美しいアカウントを多くフォローし、眼と心の保養をしているけれど、最近はインスタ疲れも少々あるし、やはりずっしり手に取って好きな時にページをめくることが出来る書籍は、私にとって特別なものです。資料はそう沢山いらない。でもいくつかの宝石のような本や画集は、心のバランスを取るためにも手もとにいつもあるべき。そう思います。オンラインやワークルームのレッスンで、時々生徒さんたちにもご覧頂いているところです。

 色彩のセンスを磨くために、かつて若いイラストレーターだった私は、この様なセンスのよい雑誌や書籍の写真からピーンと気に入ったものを選び、この写真の中で使われている色彩だけで絵を描いてみよう。そんな試みを繰り返したものでした。当時はファンタジーの世界が私のテーマだった。題材はまったく別物でも、色彩のセンスを盗んでやろうと思いました。今でもよい勉強だったと思います。

 次の一品は、まさしくファンタジー。




 長年親しくして頂いている人生の先輩、M下さんが、先日初めてワークルームにおいでくださった。途中、親しい友人であるお花屋さんの giverny さんと weekend books さんにもご案内した。weekend さんの店内で、「これをお見せしたいわ」と、大きなバッグの中から登場し、無造作に、野菜か何かみたいに新聞紙にくるまれていたのがこのお皿でした。高松さんも美和子さんも、もちろん私だってびっくり!

 「絵を描く女性が描かれているなんて、珍しいでしょ?」。珍しいも何も、なんて魅力的なお皿だろう!! 美和子さんと眼がハートになってしまった。しかもサラッと、私にくださると仰る。高松夫妻が慌てて紙袋を用意してくださった。新聞紙じゃ滑り落ちて壊れるかもしれない。袋に入れなきゃだめだよと。突然みんなで国宝を扱うような気持ちになって、涼しいお顔のM下さんとのコントラストに笑った。

 フランスのアンティーク。もしV&Aの硝子棚に鎮座しているのを見つけたら、行くたびに詣でるだろう。夢のように有難い絵柄。




 「こんな人になりたいな」と言う私に、いつもエミリー・ディキンソンみたいに白いドレスの美和子さんが「じゃあまずこのドレスを着なくちゃ」。何十年ぶりかにキャンバスに絵を描くことを試みようとしている自分。なんというタイミング。なんという贈りものだろう。M下さんには、すべてオミトオシなのだ。

つづく



 11月のHACでは 'A Merry Little Christmas' と題して、小さなゴールドのオーナメントで作品を作ります。何をやるにもますますじっくりのろまなので、きのうやっと材料をまとめパッキングして、みんなに発送しました。キラキラ輝く金色を、数や量を確かめながら小分けにして袋に詰める作業は、いつにも増して愉しいものでした。明日か明後日には届くかな? メンバーの皆さん、待っててくださいね。